2010/06/03
植毛専門医の育成が急務
「男性型脱毛症診療ガイドライン(2010 年版)」で2種類の薬剤がA判定を受けましたが、薬は飲み続けなければ効果が薄れます。
今回発表されたガイドラインについて院長へのコメントが掲載されております。
男性型脱毛症治療のガイドラインについて
現在行われている育毛や植毛(自毛植毛)など10種類の薄毛治療について5段階評価でまとめたもの。このようなガイドラインは皮膚科学会初の試みで、「強 く勧められる」を意味するA判定を受けたのは医師の処方箋が必要な飲み薬「プロペシアとミノキシジル」の2つとなっております。
日本でもようやく市民権を得つつある自毛植毛は「勧められる」B判定となっております。
植毛(自毛植毛)について
ガイドラインは、治療を始める上でひとつの指針といえます。しかし、植毛医の立場からは異論があります。
植毛についてきちんと学び経験を積んだ植毛専門医が行うなら、間違いなく自毛植毛はAランクだと思います。
ただ、日本には専門医といえる医師がいない事が問題なのです。
また、FDA(アメリカ食品医薬品局)が認める男性型脱毛症の治療法もプロペシア、ミノキシジルと自毛植毛だけとなっております。当院でもこの2つの薬は処方しております。
治療の選択肢を増やす
薬は飲み続けなければ効果が薄れていきます。つまり飲み始めたらやめられないと言う事になります。
現時点で最善の治療法だと自信を持って言える自毛植毛も濃くする事は出来ても進行を止めることは出来ません。
その為、薄毛の初期には薬を続けてみる。それでだめなら、植毛を試みる。また場合によっては、植毛と薬剤治療の併用がいいケースもあります。
植毛専門医の育成が急務
2500株(5000本)以上を一度に植えるメガセッションは世界の主流ですが、日本で行えるのは恐らく当院だけ。 また、他のクリニックで行った治療のやり直しを求めて来院する患者さんも増えています。本当にひどいものです。 治療のガイドラインも大切ですが、専門医の育成こそ急務だと思います。