傷跡への植毛について
傷跡に植毛しても生えてくるのか
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やけど、ケガなどのきずあとへの植毛を希望される方が最近増えています。
頭部の手術のために無毛になってしまった部分への植毛を希望されるケースで、ほかの医療施設から紹介されて来る患者さんもかなりの率を占めています。
元々ヘアのない場所にも植毛が可能であるということからいえば、頭部の手術跡・やけど・ケガなどの傷で髪が生えなくなった部分に植毛を行うのは非常に効果的な方法です。多数の実績を持つヨコ美クリニックに、ぜひご相談下さい。
縫い縮める手法から傷跡植毛へ
従来から形成外科領域では、頭皮に何らかの理由で傷跡がある場合には、傷を縫い縮める方法がおこなわれてきました。ただ、縫い縮めて目立たない傷にすることは、そうたやすくありません。仮に小さく出来たとしても、そのことで新しい問題が生じます。
- 大きく頭皮を寄せた場合、傷を境に毛の流れが左右に分かれてしまう、結果傷が目立つ
- 縦の傷の場合それがさらに目立つ
- 頭部全体に傷跡がある場合には縫い縮めることが不可能
という問題があり、上記の問題を解決できる傷跡への植毛が増えてきています。
特に人工毛植毛を受けたために頭皮全体が瘡痕になったようなケースでは、傷跡植毛以外の解決は不可能です。
髪の毛を事故や病気でなくされた場合は、一般の方が思う以上にショックを受ける方が多いことと思います。
このようなケースに植毛は非常に有効です、お悩みの方は一度カウンセリングにいらしてください。
【植毛による解決の事例紹介】
下記の写真の患者様は、4歳の頃に受けた手術の傷跡が成長するにつれて大きく目立つようになってきたために、傷跡植毛を希望されて来院されました。
子供の時に受けた手術の傷跡の影響で、その部分に髪の毛が生えていません。
植毛で埋め込みする際には、生える方向や密度など考え自然に近い状態を再現します。
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幼い頃の手術の傷跡が
目立ってくるようになりました -
傷跡に植え付けていきます
〈傷跡への植毛〉FUTで治療しました
(動画の一部に血や手術の描写がございますが、ご容赦ください)
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4歳の時に受けた先天性の色素性母斑(しきそせいぼはん)の手術が傷跡が大きくなり今回植毛に踏み切りました。
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今川院長は植毛の手術を年間500件以上行なっています。
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植毛の手術を開始します。FUTで施術しました。
安定剤と局所麻酔で男の子に痛みは感じません。 -
一般の人が考える以上に髪の毛のその特にケガをして無くなったとか
そのけっこう深刻なのは確かでね。相談をしながら涙目になる人は結構いますよ。 -
植毛の手術を開始します。FUTで施術しました。
安定剤と局所麻酔で男の子に痛みは感じません。 -
すぐに看護師が髪の毛を切り出していきます。
短時間でできるだけ多く植毛をするにはこの作業のスピードが大切です。 -
髪は一つの毛穴に1本-3本生えています。それをそのまま切り出すのがこの植毛の特徴です。
1577本の髪の毛が切り出されました。 -
皮膚に髪の毛を植え込む為の穴を開けていきます。
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生える方向や密度など考え自然に近い状態を再現します。
髪の毛を周りの組織ごと植え込む為、抜けてもまた生えてくるようになるのです。 -
5時間に及ぶ手術が無事に終りました。1年後には自然な状態になるといいます。
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植えた髪の毛が一生生え続けるのが自毛植毛です。
小さい傷跡への植毛
頭皮のけが、やけど、脳外科手術の痕、頭皮の皮膚疾患やアザによる脱毛部分への植毛
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<治療前>
傷跡をW型に縫い縮めるW型成術
により逆に傷跡が目立ってました -
<治療後>
傷跡へ植毛した後の写真
自然な状態に
小さい傷跡はヘアで隠せることも多いのですが、逆にヘアがあるために、かえってめだってしまうという側面もあります。とくに日本人の黒髪は、白い地肌が見えてしまうと結構目を引くものです。 上記の写真は、ある大学病院で頭の手術を行った際に傷跡の無毛状態をカバーするべく、W型に切って縫い縮めたということです。これはW型性術といい、形成外科ではよく行われるテクニックです。 しかい、残念ながら手術前と比べても逆に傷跡がもっと目立つ結果となり、初めから傷跡植毛をしていた方がいいケースでもありました。その後、傷跡植毛を実施してほぼ傷跡が分からなくなりました。
大きい傷跡への植毛
傷跡の範囲が大きい場合でも植毛は可能
大きい傷跡の場合は、全部を切り取ってしまうことができません。そのような場合には、縫い縮めて傷跡を小さくしておいてから植毛するというのもひとつのアイデアですが、その場合、その縫い縮めを繰り返すと、頭皮の余裕がなくなって、結果的に植毛を行う際にはドナーが取りづらくなるという問題も生じています。
したがって、 最初から植毛を選択する方が良い場合もあります。
傷跡への植毛では、ポッピング(もぐらたたきのように、1株植えると、近くに植えた別の株が飛び出してしまうこと)が起こりやすく、スリットからの出血も多めで、通常の植毛より時間がかかるということはありますが、普通に頭皮に植毛を行ったケース以上に、患者様の満足度が高いと思われます。
2回行うことが多い傷跡への植毛
傷跡の組織は血行が悪く、AGAへの植毛のように高密度植毛ができないというのがハンディになります。
それでもこめかみはもともとヘアの密度がそれほど高くなく、またヘアが皮膚に沿って生えているため、ほとんどの場合、一回の植毛でも目立たなくなります。
しかし、多くの場合、傷跡への植毛は2回程度繰り返すことが多くなります。なぜなら、傷跡の周囲はとても濃いので、無毛部との濃さのギャップを1回の植毛で埋めることが難しいからです。
フェイスリフトなどの美容手術後の植毛
傷跡の範囲が大きい場合でも植毛は可能
【実例1】フェイスリフトの手術跡に植毛を行ったケース
フェイスリフトという頬のたるみを引っ張って若返りを図る美容外科の代表的手術があります。 これは術後に側頭部やこめかみの生え際に、程度の差はあるものの、傷跡が残ってしまう、または強引に引っ張りすぎて傷跡範囲に抜け毛をおこし、突っ張りハゲや薄毛を作ってしまうなどのデメリットがあります。さらに、たるんだ皮膚を切除する度に、もみあげがなくなってしまうこともあり、その場合、なんとなく顔が大きく見えてしまいます。これらの不都合も植毛で解決を図ることができます。
下の写真は、フェイスリフト手術後に薄毛となったもみあげに植毛を行った治療例です。もみあげは側頭部のヘアラインの一部ですが、毛流が下向きで、しかもうぶ毛や一本毛がほとんどです。もみあげの再生は技術的にはかなり難しいのですが、その反面、1回の植毛でも満足を得られやすい場所でもあります。
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<治療前>
フェイスリフト手術により、
もみあげの毛が少なくなっています。 -
<治療後>
もみあげの毛が植毛により、
きれいに戻っています。
【実例2】額のしわとり手術跡に植毛を行ったケース
額のしわとり手術にて、生え際か、生え際から数センチ奥の部分を切開して額を引っ張り上げて縫合する手術方法の場合、切開線を境にして生え際が突然濃くなり、不自然になってしまいます。
通常、女性の生え際はうぶ毛から始まってだんだん濃くなっていくものですから、その状態は非常に不自然です。
ヨコ美クリニックでは、生え際の傷の部分に、細い毛、一本毛を植毛してグラデーションをつけることによって自然な生え際を復活させます。
◆フェイスリフトの傷跡に植毛を行った流れ
〈傷跡への植毛〉FUTで治療しました
(動画の一部に血や手術の描写がございますが、ご容赦ください)
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7年前に額のフェイスリフトで付いた傷でご相談にご来院されました。傷に植毛をすれば傷を隠して目立たなくすることが可能です。今回はFUE(ダイレクト法)で行います。傷跡修正にはFUT、FUEともに可能です。患者さんの希望に応じます。
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局所麻酔を行います。(安定剤のため痛みは感じません)
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フェイスリフトの傷跡を0.6ミリの小さなパンチでくり抜きます。
その後、周りを22ゲージの小さな注射針でスリットをあけていきます。 -
後頭部からドナーを取ります。極小の麻酔針+アイスキューブで完全な無痛状態で局所麻酔を行います。
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パンチで直接1つ1つの髪の毛をくりぬきます。
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特殊なピンセットでドナーを
痛めないように引き抜きます。
抜いた直後の1本毛(株)です。
この直後、温度調節された食塩水に浸します。 -
FUE法のくり抜きが終わった状態です。空いた穴は自然に閉じてやがて髪の毛で隠れ目立たなくなります。
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後頭部からくり抜いた髪の毛を開けた穴に自然に見えるように丁寧に植えていきます。
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小さいカサブタはできますが、出血や額の腫れはありません。
その日は固定もなく帰宅が可能です。 -
翌日も腫れも出血もなく、前髪を上げても間近でないとカサブタは気になりません。
植えた髪の毛はいったん抜けますが、半年後には一生生え続ける自然な髪の毛になります。
翌日の患者様のコメント
腫れを気にして植毛に踏みきれませんでしたが、もっと早く植毛をすれば良かったです。
5日後~1週間後
上はFUEでくりぬいた場所の5日経過した写真です。
剃った場所の髪の毛も6mm程伸びており、赤かったカサブタもかなり改善しているのが分かります。
下の左は、4週間後の拡大写真。
白丸で囲んだ部分に少し赤みが見えますが手術を知らない人が見たら、まず気づかないでしょう
人工毛植毛後の植毛
人工毛植毛の手術跡にも植毛できます
人工毛植毛とは、頭皮に自毛ではなく、人工の化学繊維を植毛することです。
異物を用いることで、拒絶反応・感染・傷跡が残る等の合併症のリスクが出てきてしまいます。
また、人工毛植毛では、脱落した分を補給するということを毎年のように定期的に繰り返さなければならないため、経済的負担が大きいデメリットもあります。
「かつて人工毛植毛をしたが、自毛植毛ができるか」という問い合わせいただくことがあります。
結論から言うと植毛は可能です。人工毛植毛に植毛する場合は、以下の3パターンに大別できます。
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感染がなく、人工毛を抜いてもいい場合
毛切れしたり、残っている人工毛を抜いてから移植します。基本的には抜いて同時に植毛しても問題ありません。たいていはとても満足度の高い結果になります。
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感染がある場合
人工毛が原因で感染をおこした場合は、一度全ての人工毛を抜き、同時に抗生物質を服用して炎症を治します。 植毛は炎症が治ってからになります。人工毛を抜いてから植毛をするまでの期間については以前から6ヶ月空けるべきだとされていましたが、最短で1ヶ月であっても発毛を期待できますし、良い結果が得られます。
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感染はないが、人工毛を残したい場合
「せっかく植えた人工毛を抜くのはもったいない」ということで、人工毛の隙間に自毛植毛を希望される場合です。人工毛はいずれは自然に抜けていくので、自毛植毛が伸びて結果が出る10ヶ月の間に多くの人工毛が抜けてしまい、自毛植毛のボリュームアップの効果が相殺されてしまいます。結果、患者様から喜ばれにくい状況になりやすいです。 人工毛はなるべく抜いてから植毛したほうがいいでしょう。
フラップ手術跡への
植毛
かつて人気のあったフラップ手術の傷跡にも傷跡植毛はできます
※フラップ手術とは、一般的に頭皮を帯状に根本の一辺を残して切り離し、それをクルリと回転させて薄毛の部分に移動させるという方法です。
フラップ手術には、
- 直線状で不自然なヘアラインになる
- フラップを採った所、フラップ周囲に傷跡ができる
- AGA(薄毛)が進行すると、フラップ周辺や後ろの部分が薄くなってしまう
など数多くのデメリットがあります。
フラップ手術を受けた方の場合、ドナーが多く取れないため、上記の問題すべてを一度の傷跡植毛で解決しようとするのは、難しいことです。そのため、今一番の悩みは何か、解決したい症状の優先順位を考えて、まず気になるところから対応していきます。