多くの株数を1度で植え付けるメガセッション

メガセッションの概要

最近の植毛術は「1、2回の施術で薄毛の範囲を気にならなくする濃さにする」ことをコンセプトとしており、広い範囲の薄毛では、必然的に多くのドナーが必要になります。
また高密度植毛を目指せば目指すほど、同じ面積に植え付けるドナーは多くなっていきます。

多くの株数を1度で植え付けることをメガセッション(megasession)といいます。
薄毛が進行すると、植毛回数は一回では密度の足りなさを感じる方も多いと思います。
メガセッションで一度でなるべく多く植え付けることで植毛回数を減らし、患者様の負担を減らします。

メガセッションの実施例

  • <メガセッションの植毛例>

    <メガセッションの植毛例>

    Before(植毛例)

    10ヶ月後

  • <メガセッションの植毛例>

    After(植毛後)-2,689株(5,811本)

  • <メガセッションを2回行った植毛例>

    <メガセッションを2回行った植毛例>

    Before(植毛例)

    10ヶ月後

  • <メガセッションを2回行った植毛例>

    After(植毛後)-2,689株(5,811本)

患者様から見て大きな魅力があるメガセッション

植毛を受ける方から見れば、メガセッションには、完成までに施術回数が少なくてすんで、治療期間が短縮できること、ドナーの傷が比較的良好であること、ドナー採取時の毛根切断のリスクが少なく、結果的に得られる移植本数が多くなること、などの大きな魅力があります。

ただし、メガセッションを行うためには、多数のスタッフが必要になることや施術の難易度が上がること、長時間の施術による疲労、受ける方の空腹および低血糖や脱水症状、局所麻酔や精神安定剤などの薬剤の過剰投与、採毛から植え付けまでの時間が長くなるための株の生着率の低下などへの防止策が重要です。

メガセッションのニーズは高く、またその満足度も非常に高いと言えます。当院では上記に述べた課題への対応策を万全とし、植毛専門医として当然行うべき治療として対応しております。

数回の施術で採れる移植毛の限界は?

植毛はドナードミナンスの理論からいっても将来ずっと抜けない、つまりAGAの影響を受けない安全な範囲からのヘアをつかうべきです。 その範囲から採取可能な移植毛の本数は大体12000~15000本(6000~7500FU株)程度だろうと思います。
現在までとても密度が高くて頭皮の伸びが良い方で20000本とれた方も数名いらっしゃいましたがこれは例外だと思います。

一回の施術で採れる移植毛の限界は?

これはドナー部の密度と頭皮の伸びつまり柔らかさによってかわってきます。
30才代の日本人のドナー部位の平均密度は後頭部で160本/c㎡、側頭部で120本/c㎡なので帯状のドナー頭皮の平均密度は140本/c㎡程度となります。

白人では後頭部の平均密度は220本/c㎡といわれており、日本人は白人の密度の70%程度ということになり白人に比べると1回で採れる移植毛の本数は圧倒的に不利になります。
たとえばドナーの密度が140本/c㎡の方なら1cm巾で31cmの長さのドナーを採ると30c㎡となり(両端の1cmずつは三角形として計1c㎡と計算します)140×30=約4000本(2000 FU株) 1.2cm巾では140×36=約5000本(2500 FU株)となり、密度が1割低い場合本数は各々3600本と4500本に下がってしまいます。
頭皮の伸びという点でも日本人の頭皮は白人より厚く硬いように感じます(もっともこれを裏付けるデータはないのですが)。
頭皮が硬ければ採る頭皮の巾も大きくできないので当然採れる本数が減ることになります。
日本人の場合1回で採れる本数は5000~6000本(2500~3000 FU株)、頭皮が硬い場合では4000~5000本(2000~2500 FU株)というところです。当院の経験では最大で1回で7000本(3500 FU株)強です。

メガセッションを行うためのコツとは?
頭皮のやわらかさが重要です

FUTでは、後頭部から帯状にドナーを採取し、それを顕微鏡下で株分けします。
一方FUEは、小さなパンチでひとつひとつのフォリキュラー株を直接くり抜く方法で、2001年にバーンスティーン(R.Bernstein)とラスマン(W.Rassman)医師が発表、最普及してきた方法です。