投稿者:snさん

  • Q

    お願いいたします

    2005.07.18

    ○○○○クリニックでは、SAFE system植毛法の改良型の最新技術がNHT○○○○クリニックで採用されましたと書いてありますが、先生はどう認識されていますか?それと下の返答1ですが、(植毛専門医の中のコンセンサスと随分違った医学的定義を用いること)よくわかりません。すみませんが、この2つの質問をできるだけ詳しく、分かりやすくご説明ください。お願いいたします。

  • A

    Re:お願いいたします

    2005-07-18

    ご投稿ありがとうございます。

    ◎SAFEシステムについて

    SAFEでなくFUTだと思うのですが、もしSAFEだとしたら、SAFEシステムは昨年8月に登場したばかりです。3月にフロリダの学会で、それを1例見学して、改良したとしたら、たいしたものです。
    どこがどのように改良されたか、一般の方々ではなく専門分野の医師の間で披露してほしいものです。
    まだ今年になってはじめたので、結果もでていないとは思いますが。

    ◎勝手な定義について

    2、3の例をあげておきます。
    ①そのクリニックは“進歩したFUT”という言い方もしております。FUTというのは
    ・一株に一つのFU株が含まれる
    ・顕微鏡下で全ての株分けを行う
    ・Hairless skinを取り除く
    ・植え付けの時にパンチではなくスリットを使う
    と定義されております。
    一株に二つのFU株が含まれるダブルフォリキュラー株(2FU)を多用する場合は、FUTという用語が使えません。MUGとかミックスグラフティングと呼ぶべきです。それを“進歩したFUT”というのは良し悪し以前に用語の定義を逸脱しています。ちなみに良し悪しを言えば、私も2FUをかなり長く使っており、2年前に出版された英文の教科書にもFU株よりも良いことがあると執筆しましたが、いずれその点を訂正したいと思っております。
    SAFEシステムは、FUE(一つのFU株ずつをパンチでくり抜いて株分けする方法)の一種ですが、一方で2FUの方が良いと主張し、他方ではFU株のみを使うFUEがよいと主張しているようで、完全に自己矛盾です。
    ②ミニグラフトは、株の大きさ、つまりサイズ分類です。
    FUという概念が出てきてから、全ての植毛医はそれを意識しています。
    つまり、2FUというのは一株に二つのFU、3FUというのは一株に三つのFUが含まれるミニグラフトであり、それらの総称が現在MFUと言われているわけです。
    ミニグラフトとMFUとは別物ではありません。
    ③そのクリニックは、MFUのMをMultiではなく、Modifiedと訳しているようですが、意味不明です。
    ④FUTを行っている植毛医が植毛の達成密度をいう場合のコンセンサスは、1c㎡に植えつけたFU数を指します。分母は白人なら100FU/c㎡、東洋人なら80FU/c㎡です。
    しかし、そのクリニックは、「ドナーの面積÷植えつけた範囲の面積×100」を達成密度と定義しているようですが、FU数を示していない為、全く正確ではありません。
    その場合%は相対的になってしまします。
    さらに、ドナー採取、株分け時のロス(5%以上と想像いたします)があるため、本来ならその分%が下がるのですが、上記の「ドナーの面積÷植えつけた範囲の面積×100」の数式では、実際より%が過大に表示されることになります。

    院長 今川

    特定のクリニック名が出ておりましたので、○○○○に変えさせていただきました。ご了承下さい。

気になること、薄毛の悩み、
植毛技術のこと等、
お気軽にご相談ください