投稿者:名古屋人さん
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Q
QHR®システムについて
2005.10.20
はじめまして。
名古屋在住、33歳、M字部および生え際施術希望している者です。
総合的に判断し貴クリニックで施術していただければとの思いを強く持っておりますが、地理的事情から、QHR®システムのクリニックにての施術も検討している次第です。しかしQHR®システムについては批判も多いため躊躇しております。
よって、失礼とは存じますが、先生のこのシステムに関しての率直なご意見をお聞かせいただけませんでしょうか? -
A
Re:QHR®システムについて
2005-10-20
Re: QHR®システム... M -
横レス大変失礼いたします。愛知県在住、43才、横美さんで4回手術を受けました。横美さんまで新幹線を使用しても3時間以上かかります。地理的なハンディーがありますが、それを補うだけのものがあると思います。
GHRは株分けの際パスタ機のようなもので、株分けをするため、ロスが多いように思います。髪1本1本は間隔も違うし、生えている角度も違うので、パスタ機のようなもので均一に株分けを行うとロスが大きいような気がします。
横美さんが顕微鏡を使って手で株分けをされるのは、上記の株分け時のロスを少なくするためであり、機械を買うことができない訳ではないと思います。
つまり、手間暇かけて、手で株分けをされるのは、患者のメリットを考えての事だと思います。
以上は、あくまで、患者個人としての意見です。選択肢は名古屋人様にありますので、よくお考えになり納得され、後悔されないことが1番だと思います。私は結果に直接結びつく医院選びは、地理的デメリットで判断するべきではないと思います。日本全国、良いところがあればそこへ出向き、良い医院選びをし、良い結果を求めるのがいいと思います。
たいへん押しつけがましい、失礼な横レス申しわけ有りませんでした。
Re: QHR®システム... S.Y -
私もM様と同じ感想を持っています。
私の場合も新幹線で数時間、一泊で手術を受けましたが、それだけの価値は十分にあったと思います。
とかく近所で気軽にと考えがちですが、クリニックによって技術、経験数の差は明らかに存在すると感じています。
技術レベル、カウンセリングで感じた今川先生のお人柄、手術に対する姿勢等で貴院を選び正解でした。
Re: QHR®システム... 横美会 -
名古屋人様
ご投稿ありがとうございます。
2000年にオムニグラフトは評判の悪かったカルビトロンという植毛機を改良したというふれ込みで、国際毛髪外科学会関連のワークショップでデモされました。
そこでの評判もまたかんばしくなかったようです。欧米の植毛医はこの機械をほとんど導入しておりません。
オムニグラフトはカルビトロンのどこを改良したのか?を学会で直接質問したのですが、基本的なメカの変更はないようです。
どうもその方法を行っている医師はこの分野に参入して日が浅いのか、概して世界トップレベルの植毛についての認識が乏しいようです。
最近はコメカミのヘアラインは手作業を併用して“自然さ”を出すということのようですが、それなら全て手作業で行うべきだと思います。
最近執筆した『植毛完全ガイド』から技術的な点を引用しておきます。
『ホームページなどで植毛のオートメーションマシンについての質問を良く受けますので、ここでお答えしておきましょう。
7~8年前欧米で数種類のオートメーションの機械が開発されて注目されましたが、最近はすっかり下火になってしまいました。それで得られた結果が今ひとつだったせいだと思われます。ところが最近、フランスで開発された“カルビトロン”とその後継機種を使って植毛をはじめたクリニックがいくつか出現しています。
この場合、ドナーの採取方法は2つあります。1つはマルチブレードナイフでドナー部位を1cm幅に切り取って、それをヘアートームと名付けられた器具でパスタマシンのように1mmサイズに切り分けた株を作る方法です。もう1つはモーター式の1mm径のパンチで、ドナーから1mmサイズの株を直接くり抜いていく方法です。移植部位はやはり1mm径のパンチで穴が開けられ、作られた株はパイプで吸い上げ、空気圧で運ばれて、そのパンチ穴に自動的に植え付けられます。
施術者の熟練度に依存しないこと、時間がかからないことなどがメリットではありますが、私はこの方法が良い結果をもたらすとは考えません。何よりもドナー採取の方法が問題です。先に“オープンテクニック”を紹介しましたが、この方法は拡大鏡を使って毛根を確認しながら傷つけないようにドナーを採取するものです。ところが、これらのマシンでは、毛根を確認せずにマルチブレードで切ってしまいます。それをさらに瞬間的に1mmのサイズに株分けするというのですから、FUTの概念はそこにはありません。数年前、FUTのパイオニアの1人であるバーンスティーン博士(R.Bernstein)などは、マシンによる株分けを「ヘアのホロコーストだ」と酷評したほどです。
モーター式の1mm径のパンチでドナーの株をくり抜くにしても、毛根の切断のリスクが大きくなります。モーターを使わないで皮膚の表層だけをくり抜くFUEにしても、従来20%の毛根切断率があるといわれていました。マシンによる方法は旧来の技術であるパンチ式そのものですから、そのパーセンテージはさらに大きいでしょう。
植え込みに関してはさらに問題が大きいのではないかと思います。マシンの場合、1mmのパンチ穴に株を植え付けていますが、広く行われている針穴(スリット式)に比べ、次のような欠点があります。
①デンスパッキングができない、つまり1c㎡に20株以上植えることができない
②頭皮のダメージ、つまり瘢痕化がより大きい(1cm四方に1mm径のパンチ穴を15個入れた場合よりも、1mm径のスリットを50個入れたほうが、よほど頭皮の瘢痕化によるダメージが少ないというデータが出ています。)
③ピットスカーを作りやすい
結論からいうと、ドナー採取、植え込みの両プロセスに問題があるということです。このような理由で植毛先進国アメリカでは、マシンを採用しているクリニックを耳にしません。
熟練した手仕事と現在の完成度の機械式では、残念ながら同じ次元で語れないほどの差があります。私たちが追求しているのは現在の機械でできるレベルではなく、もっと上のレベルだということです。』
M様 SY様
ありがたい援護射撃に感謝いたします。(笑)
いつもいうのですが2種類の方法を実際受けた方の正直な感想が比較もできますし、一番説得力を持つと思います。
どうしても同業者の意見は利害関係があるせいかうさんくさくとられがちです。
院長 今川
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