投稿者:tomoさん

  • Q

    FUE

    2009.03.06

    FUE(毛包ユニットをひとつずつ採取し移植する方法)は、横美さんで行われていませんが
    なにか問題点などあるのでしょうか?
    自分が考えられる問題点として値段が高い、本数ができないなど考えられます。
    その他に定着率などに違いがあるのでしょうか?
    ちなみに機械でやるやり方じゃありません。
    よろしくお願いいたします

  • A

    Re:FUE

    2009-03-06

    ご投稿ありがとうございます。
    FUTはご存知のように切りとった頭皮を大勢のスタッフが同時に株分けしますが、FUEは医師が1つ1つのFU株をくり抜く方法ですからFUTに比べて多くの株数が採れません。
    最近のトレンドであるメガセッション(一度に多くの株を植えつけること)やデンスパッキング(高密度の植えつけのこと。必然的に同じ面積に植えつける株数は多くなります。)にはどうしてもFUTの方が有利です。
    FUEは小さな植毛チーム、FUTは大きな植毛チームにむいた術式だといえます。

    最近のFUTではTrichophytic縫合などで以前より傷がきれいにできるようになったので(必ずしも方法だけでなく受ける方の体質にもよりますが)FUEの線の傷ができないメリットも以前より小さくなって見えます。

    FUEは株を採る時に毛根を視認できないブラインドの操作です。
    顕微鏡を使って株分けをするFUTと比較して“株の質が全く同じか?”と言われればYESとは言いにくいと思います。
    毛根切断のリスクが低いSAFE法(当院のFUEもこの方法です)でさえ株の質については全く同じとは言いきれないと同法を発表したハリス博士は去年の国際毛髪外科学会で発表しています。
    実際のアフター写真でもFUEの良い結果を目にする機会はまれです。
    もちろん結果オーライの世界でもあり、この問題はFUEに肯定的植毛医VS否定的植毛医のディベートの真っ最中です。

    FUEをどうしても希望される方はいらっしゃいますし、ケースによって当院もFUEを行なっています。
    しかし「薄くなっているところに、1、2回で納得できる濃さが達成され、それが自然に見えて、それがリーズナブルな費用でできる限り、どんな方法?線の傷ができるorできない?ということはあまり気にしないという方が大分部である」と某植毛医は主張しておりますが私も全く同感です。

    第5回コラム「FUE ( Follicular Unit Extraction )について」を掲載していますのでそちらも是非ご覧下さい。

    院長 今川

  • Q

    Re:Re:FUE

    2009.03.09

    >FUEは株を採る時に毛根を視認できないブラインドの操作

    とありますがFUTも切る際には、見えないわけで・・
    この点に関しては、毛根が損傷する確率的に同じような気がするのですが・・
    だけど、先生がいろいろ調べて述べているので私のような素人考えとは、
    違うはずですね。
    私は、回数を重ねて採っておりFUEを考えておりました。
    海外でもあまりいい結果が無いようですので諦めるしかないのでしょうか?
    それとも横美さんならなんとか出来るのでしょうか?
    フラップなどの修正で同じようなケースを手がけてきたと
    思いますがその方たちは、満足できる結果を出せていますか?

    すみません。お答えににくい質問でしたら申し訳ないです。

  • A

    Re:Re:Re:FUE

    2009.03.09

    おっしゃるようにメスで一気にドナーを採るやり方(当院以外のクリニックでは通常この方法で行われています)はブラインドの操作になります。
    一方10年前にPathomvanich医師が拡大鏡と特殊な鈎を使って毛根組織を視認しながらドナー部を切開していく“オープンテクニック”を発表しました(一方従来法はブラインド法と言ってもいいと思います)。
    これは株分け時に拡大鏡を使ってドナーの頭皮を1、2列のFU株が含まれる帯にスライスすることをドナー採取時に応用したもので、“donor dissecting 法”とも呼ばれております。
    とても時間のかかる方法ですが、それを行えば毛根切断は格段に減ります。
    私もそれを始めた時には採れる移植毛が以前より1割近く増えておどろきましたし、傷もきれいになることにつながるためずっと実施してきました。
    顕微鏡下での丁寧な株分けをスタッフ一同に命じておきながら医師がドナー採取を一気に行ってその時間を競うとしたらとても矛盾したことです。

    オープンテクニックで予想される毛根切断のリスクは2~3%、シングルブレードナイフによるブラインド法だと5%以上、マルチブレードナイフだと8~20%といわれています。
    ブラインド法のFUTでさえFUEより有利なわけは、採毛部位の上と下の切開線だけがブラインド操作でそのあとは毛根を確認しながら株分けできる一方、FUEはすべての株をブラインドでくり抜かないといけない点です。

    フラップを受けた方は複数の悩みがあり、その大部分は植毛で改善できると思いますが問題はドナーのヘアが必要なだけ採れるのか?という点です。
    具体的な“戦略”については論文や医学書を執筆したのですがその結論は以下のようになります。
    ・フラップを受けた方々のすべての悩みは7つに大別されるが、通常各々の方の悩みは一つだけではない。
    ・フラップを受けた方々は広範囲の剥離操作のため採毛部の密度が低くまた頭皮の余裕度が小さいので、採取可能な移植毛と改善を希望する面積のギャップが存在することがある。
    ・そのような場合、すべての場所に不十分な密度の植毛を行うべきでなく、植えつける優先順位を植えつける方の希望により決定することが大切である。

    院長 今川

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