投稿者:慎一さん
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Q
FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2023.02.20
1:植毛関連のYouTubeにて、FUEのみで数回に分けて5000株は安全に採取可能である。
2:最も優れた、多数株を利用する際のFUT、FUEの順番はFUE→FUE→FUT→FUTである
との見解を述べている有名植毛医がいるのですが、どう思われますか? -
A
Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2022-12-26
慎一様
ハリウッドの映画で“Bull shit”というセリフをよく耳にします。概して日本人のヘア密度は白人のそれより低く、過激に株を採取すれば1回のFUEでもドナー部がまばらになることがあります。おそらく2回採取すると相当ドナー部のヘア密度が下がってFUTの線状ハンコンもカムフラージュするのに苦労することもありえると思います。その医師が実際にFUEで5000株(5000本ではなく5000株)採取したことがあるのか分かりません。本当にその医師のパフォーマンスが優れているのか?またコストパフォーマンスの点でそのクリニックで5000株以上採取できる方が何名いらっしゃったのか?をその医師だけではなく実際にうけた方の体験談を伺うことをおすすめします。
ヨコ美クリニック
院長 今川 -
Q
Re:Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2022.12.27
御回答ありがとうございました。
さらにお聞きしたいのですが、新たな意見として、FUT、FUEの摂取可能最大数について以下の様に、より詳しく述べられていたのですが、
『移植毛を採取可能な後頭部面積を横幅が20センチ、縦が10センチと仮定すると、
20cm×10cm=200㎤
後頭部の一般的な毛穴の平均密度が60Fu/㎤とすると、
そこにある毛穴の総数は、200c㎥×60Fu/㎤=12000Fu。
一万2千毛穴あることになります。
FUEならすべて採取することが可能なので、12000FU。
FUTでは
何回でも採取出来そうですが、毎回最大幅で1.2cmの高さで採取しますので、
3回やったら合計で3.6cm皮膚を欠損することになります。
実際にはこれ以上採取すると採取部頭皮のキズが閉じなくなる可能性がありますので、
採取を3回までとします。
そうすると 縦:1,2cm×横:20cm×密度:60Fu/㎤=1440FU
これを3回ですので
3×1440FU=4320FU
明らかにFUEの勝ちになります。
でもこれでは全ての後頭部の毛がなくなりますので、まるで現実的ではありません。
FUEで頭皮が透けない為には、最大でもそこの密度の25%以内で採取する事とされています。
そうすると60Fu/㎤×0,25=15Fu/㎤
1回目は
200㎤×15Fu/㎤=3000Fu/㎤
2回目のFUE採取の上限は密度の20%が適切であり、
60Fu/㎤-15Fu/㎤=45Fu/㎤
45Fu/㎤×0,2%=9Fu/㎤
面積200㎤×9Fu/㎤=1800FU
3回目の採取も密度の20%が適切であり、
45Fu/㎤-9Fu/㎤=36Fu/㎤
36Fu/㎤×0.2%=7.2Fu/㎤
面積200㎤×7.2Fu/㎤=1440FU
合計すると
3000FU+1800FU+1440FU=6240FU
FUTの4320FUと比べて、今度もFUEの方が多くなります。
しかしこの場合もFUEにおいて後頭部の密度は明らかに減っています。
そうするとAGAハミルトン分類の4型以上の後頭部だけ密度が高い場合でないと
違和感が出ると思います。
又もし頭皮がとても柔らかい方で4回目のFUTが可能な場合は、
4回×1440FU=5760となり僅差となります。
この中には採取率や実際の密度、毛の本数の割合いなどは含まれておらず
これだけが全てではありません。
FUTを何回も繰り返すとどんなに技術が高い施術であっても、
頭皮は固くなり、キズも出来やすくなります。
FUEも過剰採取すると透けてみえてしまいます。
FUTとFUEの両方を施術者が適切な技術で行えるのであれば、
患者さんに双方のメリット、デメリットを伝えて
十分理解していただき、選択してもらうのがいいと考えています。
最初にFUEを選択してこれを数回行い、それ以上の密度低下をさせないために次にFUTを
選択するのもいいと思いますし、その逆でもいいと思います。』
との意見ですが、正しいと思われますか?
よろしくお願いいたします。 -
A
Re:Re:Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2022.12.29
慎一様
おっしゃっている結論の「適切な技術で行えるのであれば・・・」は全く同感です。私は最大株数を希望な方にはFUTを優先させるべきと考えますが“適切に”がその前提です。FUEのドナー部はFUTの5倍の広さが必要だとされています。AGAの影響を受けない範囲から株を採取するというのが植毛の原則なら、既に1回目からFUEではそれを逸脱しています。その点についてFUTとFUEを同列に存じられませんが、それも承知の上での議論にします。仮に1200FUあるとすればFUEでドナー部のFUの25%までの採取では1200×0.25=3000株となりおっしゃる通りです。ただ白人より毛包密度の低い日本人に2回目のFUEを行うと、ドナー部の疎毛化がひどくなって3回目が可能かは分かりませんし、その後のFUTで線状の傷あとが隠せないリスクを生じます。
P.S
他院のFUEの結果を拝見してきましたが、採取した株数から考えてとても狭い面積にしか植えつけられていないケースが目につきます。本当にその株数を採ったのか?株数を水増ししたのではないか?例えば採取した2本毛を2株の1本毛に細分すると2倍の株数になります。これはスプリットといって眉毛やヒゲ植毛では行われますが、頭髪にしてなら細分した株数で費用設定されたとしたら問題だと思います。
ヨコ美クリニック
院長 今川 -
Q
Re:Re:Re:Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2022.12.29
貴重な御意見、非常に感謝いたします。幾つかお聞きしたいのですが。
1:AGAの影響を受けない範囲から株を採取するというのが植毛の原則なら、既に1回目からFUEではそれを逸脱しています。と言う今川先生の御意見全体の一部分についてですが、FUEそのものが、採取可能範囲を逸脱してしまうケースが非常に多いという意味でしょうか?
理解不足ですいません。
2:端的に言って、某医師のFUE→FUE→FUT→FUTですとか、FUTとFUEそれぞれの取得可能最大株数の理論自体はナンセンスであり、最大株数を確保するには、やはりFUTからFUEという流れが王道という事と理解してよろしいでしょうか?
よろしくお願いいたします。 -
Q
Re:Re:Re:Re:Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2022.12.29
追記申し訳ありません。
3:FUEにおいて、株採取後にスカスカに見えない条件として某有名医師は、1回目は全体の25%、2回目はその20%、3回目はまたさらに20%を採取すると良いと述べておりますが、数字だけで言いますとトータルで採取部の50%以上を採取することになると思うのですが、おかしい意見とはならないのでしょうか?
よろしくお願いいたします。 -
A
Re:Re:Re:Re:Re:Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2022.12.30
慎一様
1. ハミルトン分類でクラスⅦの方の状態をよく見れば分かりますが、AGAの影響をうけずに生え続ける安全な範囲は広くありません。後頭部正中では両耳を結んだラインより2㎝程度上までとされていて後頭部の生え際も脱毛します。安全な範囲からだけFUEで採るとすれば1回目でも2000株は難しいはずです。またドナー部は球形ですから上に向かっては頭皮とヘアの角度が大きく、下にいくにつれて角度は小さくなります。つまり頭皮と毛の角度(毛皮角)は上にいくほど大きく下にいくほど小さいので、FUEでは下にいくほど技術的に難しくなり、結果的に上過ぎる範囲から株が採取される傾向が強いと思います。
2. FUE→FUTとFUT→FUEが同等の結果であればどちらを主張しても問題ないと思います。私はFUT→FUEを考えますが、植毛医のキャリアによって意見も異なるのは当然で、王道は存在しないと思います。ただ日本ではカツラを外せるほどボリュームアップ効果が得られたFUEのケースを今まで確認していません。やってもいないorできないことを王道のように言う医師は大風呂敷を広げるということです。
ヨコ美クリニック
院長 今川 -
A
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2022.12.30
慎一様
3. おっしゃる通りです。30%以上採取したケースではドナー部の疎毛化を招くリスクが大きいと思います。以前アメリカの友人が送ってくれたドナー部の比較写真を添付します。白人は日本人と比べてヘア密度が大きいので疎毛化は起こしにくいのですが、FUTを1回で約4000株、FUEを2回の合計で4000株採取したケースの比較です。
ヨコ美クリニック
院長 今川 -
Q
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2022.12.30
年末にもかかわらず、貴重且つ的確な御意見、ご親切にありがとうございました。
今川先生には感謝いたします。
本来であれば是非、今川先生の施術をお願い致したく思いますが、いかんせん人気過ぎてなかなかカウンセリングも難しい状況ですので、ネットにてご質問させていただきました。
本当にありがとうございました。
お体にお気をつけて、多くのAGA患者を救ってください。 -
Q
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2023.01.19
植毛可能本数についてご質問いたします。
最初にやむを得ない事情でFUEを行い最大株数摂取後、2回目以降でFUT or FUEのいずれかにて、オペを行う場合生涯摂取可能株数及び、植毛可能面積はどの程度になりますでしょうか? -
A
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2023.01.19
慎一様
〇2回目にFUEをうける場合にはおそらく合計で1回目との総株数は4000~4500株になると思います。
〇2回目にFUTをうける場合には2回目の最大株数はおそらく2000株、同じハンコンを使って3回目をうけると1600株、4回目をうけると1250株、計算上合計4850株となります。したがって総株数は1回目のFUEの株数+4850株です。
〇FUTを3回うけてからもFUEは可能ですが、その場合の株数はかなり少ないはずです。
・FUEのドナー部の面積はFUTの5倍の広さが必要とされています。したがってFUEで多くの株数を採取する場合にはかなりの株がAGAの影響をうけず生え続ける安全な範囲を逸脱し、上過ぎる場所からも採取されてしまいます。
・植毛可能面積は40株/㎠を目安にしてください。
ヨコ美クリニック
院長 今川 -
Q
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2023.02.16
重複した質問となってしまうかもしれませんが、初回にFUEにて植毛をすると、最大摂取可能株数という観点からいいますと、初回からFUTにて施術した場合よりも最大摂取可能株数はかなり少なくなってしまいますか?
今川先生以外で、待機期間を考えますと一回目はどうしてもFUEとなってしまいそうなのでアドバイスお願いいたします。 -
A
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2023.02.17
慎一様
そのように思います。FUEを2回繰り返すとドナー部のヘア密度がかなり下がってその後にFUTを行うと線状のハンコンが目立つかもしれませんし、FUTを行うことを躊躇してしまいます。ちなみにFUEのドナー部はFUTのドナー部の5倍の広さが必要とされていて、AGAの影響をうけずにのび続ける安全な範囲よりかなり上からも株が採取されます。安全な範囲からだけ株が採取されるFUTと単純に採取できる株数の比較はできません。
ヨコ美クリニック
院長 今川 -
Q
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2023.02.17
返信ありがとうございます。
初回FUE、以後FUTで数回接種した場合と初回からFUTにて数回のFUTを繰り返して、移植株を摂取する場合とでも、最大摂取可能株数には差が出ると思いますか? -
Q
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2023.02.19
すいません、初回のみFUEにて最大摂取可能株数を摂取(2000株程度?)して、以後FUTにて数回オペをした場合と、数回FUTのみでオペを行った場合に生涯摂取可能株数にはどの程度の差が出るでしょうか?
又、摂取可能株数以外にも何か、採取方によって結果等に違いが出るものでしょうか?
実は近々、今川先生のクリニックでのオペが数年後まで難しい為、仕方なく初回FUEにて2500株程度をFUEにて行う予定なのですが、2回目以降は今川先生にお願いしたいと思っており、質問させていただきました。
よろしくお願いいたします。 -
A
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:FUEの採取可能最大株数について、及び大量植毛に適したFUE、FUTの順番
2023.02.20
慎一様
初回にFUEを行うとドナー部のヘア密度が下がるのでFUTの最大採取株数が少なくなります。また過激なくり抜きを行うと1回でもヘア密度が下がって次回のFUTのハンコンがカムフラージュできない事態もありえます。初回FUE次回FUTと初回FUT次回FUEでは採取できる総株数は、前者はおそらく同じか少ないと想像しています。
ただ初回にFUTを受けたとすると次回FUEを受けるよりも同じハンコンを使うFUTをおすすめすると思います。FUEでは広範囲にドナー部を剃るのでヘアピースなしでは初回のFUTの傷跡が目立つからです。
1回目の結果に納得いかなければ話は別ですが、そうでなければ次回も同じクリニックでの施術をお願いいたします。安易にクリニックを変えることはドクターショッピングといっておすすめできません。今までFUEを他院で受けた方はたいていの場合FUTで対処しています。2回目のFUEが難しいことが主な理由ですが、そもそも2回目の施術はいろいろな面でハンデがあります。植毛は1回ですめばベストです。施術をくり返せばドナー部の状態も悪くなり植えつける範囲のハンコン化によって株の定着も不利になり結果として満足度は初回より下がります。また他院の結果の責任もすべて背負いこむことになり、本音を言えば荷が重いことです。
ブログ“植毛はこう直す”(https://ameblo.jp/shokumou-yokobi/entry-11598981933.html)の第1回植毛の失敗とは?を是非一度ご覧になってください。
ヨコ美クリニック
院長 今川
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