投稿者:STさん
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Q
FUについて
2005.06.22
先日手術をしていただいた者です。お世話になりました。
ふと疑問に思った事があり質問させていただきます。
株は1本毛・2本毛・3本毛とがありますが、それらは移植後もそれぞれ1本毛・2本毛・3本毛として発毛するのでしょうか?
もし、将来的に1本毛が3本毛、またはその逆になることがあるとすれば、「移植本数3,000本」とかと説明するより「移植株数1,000株」と説明する方が患者にとっては親切ではないでしょうか?
と言うのも、貴クリニックと同じ術式(FUTとは言わず○○○式と言っている)を用いているクリニックで手術を受けた体験者のHPを見ていましたところ、「1,395株5,250本」とか「1,100株3,600本」とか明らかに1株あたりの本数が先生のおっしゃる日本人の平均2.0本を大きく上回っており、個人差はあるでしょうが差がありすぎると感じたからです。
私自身、株の内訳・総数をきちんとカウントし、朝から夕方6時までじっくり手術をしてくださった先生およびスタッフの方々には感謝しているのですが、これから手術を検討している人の為にも株と総数のマジック?について先生のお考えをお聞かせ下さい。 -
A
Re:FUについて
2005-06-22
Re: FUについて 横美会 -
お返事が遅くなりまして申し訳ありません。
当院では1本毛〇〇株、2本毛▽▽株、3本毛◇◇株とカウントして、合計の株数(〇〇+▽▽+◇◇)と集計した本数(〇〇+2×▽▽+3×◇◇)を植えつけ前に説明しております。基本的に1本毛は1本毛、2本毛は2本毛として発毛するわけです。(2本毛のうち1本が休止期で1本毛が2本毛となるなどはありえると思います)おっしゃるように植毛の作業は株を基本にしております。本来は株数の方が重要だと考えます。わが国では人工毛業者をはじめほとんどが本数表示ですので当院もそのようにしておりますが正直株を元に表示していけたらと思います。
日本人のドナーのFUの分析では
1本毛 30%
2本毛 50~55%
3本毛 15%
4本毛 0~1% となっております。
FUはアトランダムに(くっついたり離れたり)生えていて2つのFUがくっついて4本に見えるものをフォリキュラーグルーピング株とかフォリキュラーファミリー株といいます。
FUTの場合1~3本が主でファミリー株を入れたとしても1株2~2.5までにおさまります。
〇〇〇式はあきらかに1株のサイズが大きいようです。平均3~3.5あるようです。つまり1本毛などのフォリキュラー株も入っているわけですが4~5本/株のサイズが大部分となっていることになります。これらの株はMFU株(マルチフォリキュラー株)といって以前ミニグラフトといわれた株です。つまりミニグラフトとフォリキュラー株の混合式の方法です。
MFU株を多用すると自然さにはかけます。ミニグラフトを使うとヘアラインをよく見れば植毛したヘアははっきりわかります。
〇〇〇式の方のヘアラインのアップ写真を見ればFUTとの違いは一目瞭然です。
蛇足ですが、〇〇〇式の本数はドナーの密度を150本/c㎡として、ドナーの面積から本数を算出しているようですが、ドナー密度は個人差があり、また後頭部の平均は160本/c㎡でも側頭部は120本/c㎡で長いドナーの平均は150本/c㎡以下になります。
また株分けのロス(最低5%)を入れないので株分け後の正確なカウントつまり実数より多分20%程度多いと思います。
院長 今川
Re: FUについて SS -
横からすみません。
STさんは「FUTと言わず〇〇〇式と言っている」と言っているようですがホームページ上では改良されたFUTとして学会発表したといっています。
そのことについて先生のお考えをお聞かせ下さい。
Re: FUについて 横美会 -
欧米では植毛クリニックの90%以上がフォリキュラー株(FU株)を使っています。簡単に言うとFU株だけを植えるのをFUTというのですが厳密には
・ドナー採取時にシングルブレードナイフを使いマルチブレードナイフは使わないこと。
・株分け時に顕微鏡を必ずつかうこと
・株分け時にFU株にすること
・株分け時にFU株の間のいわゆるhairless skinを取り除くこと
・植えつけ時にスリットを使いパンチを使わない
などの定義があります。
これは植毛医達のコンセンサスです。
もしこれらを満たさない場合FUTといえないわけで、一株中に複数のFUが含まれるマルチフォリキュラー株(MFU株)orミニグラフトが入っている場合MUGつまりマルチユニットグラフティングという言い方にするべきです。
定義がはっきりと存在し、またそれを満たさないのにそのように名乗るのは問題です。この方法の良し悪しとは別の次元の話です。
植毛を専門としない医師の学会で「改良されたFUT」ト発表するのは「鳥なき里のコウモリ」と同じです。国内外の植毛専門の学会で同じタイトルと内容で発表されるべきでしょう。
院長 今川
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