投稿者:五郎さん
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Q
2回目の手術
2006.06.19
いつも拝見しています。
質問ですが、今川先生は以前この掲示板で2回目の手術をする時にヨコ美クリニックでは基本的にドナーを1回目の場所から重ね取りすることを推奨していて、
紀尾井クリニックで2回目の時に別の場所から取ることが多いのを「理解できない。」と批判的に述べられていたように記憶しています。
確かにワンスカーテクニックでやるとドナー傷が一本になるという利点はありますが
ドナー採取の際のロスがものすごく大きくて、少しでも薄毛を改善したい患者の気持ちからすれば疑問符がつきます。
どちらも一長一短のように思えるのですが、なぜヨコ美クリニックではあえてワンスカーテクニックを推奨しているのか?
その理由をもう1度お聞かせ下さい。
自分は2回手術するとしたら2回目は別の場所から取ってもらって少しでも多く植えてもらいたいですが、
今川先生の過去の発言が気になってます。よろしくお願いします。 -
A
Re:2回目の手術
2006-06-19
ドナーの傷を一本にする方がいいのか?
二本以上にする方がいいのか?
については過去ログ(8110)を引用させて下さい。
最後の4行が私の本音です。
つまり「一回目の傷がちょっと見ではわからないほどきれいであれば二回目にどこを切ろうとかまわないが、一回目の傷が目立つのに他の部所を切るのは理解できない」ということです。
傷の治りは医師のテクニックとうけた方の体質に左右されますが、私達は体質のせいにする前に目立たなくする技術をレベルアップすべきだと思います。
私なら一回目の傷がわかる(残念ながら形成外科的な技術をつかっても大部分の方はそうなると思います)場合にそれを別の所に再度つくるのはとても気になりますし、自分が患者の立場だとしたら我慢できません。
チェーンクリニックの場合医師の技術の習熟度もまちまちです。
二本にした方がよいという主張はアメリカでもどちらかというと単独の医師のクリニックよりチェーンクリニックの方が多いようです。
その方が経験が浅い医師にとっては技術的に容易ですし、ドナーの面積で手術料を設定している場合都合が良いはずです(一本の傷では二回目に同じ面積だと本数がへるので同じ本数をとる場合その分多めの面積が必要になります)。
もっとも多くとることが目的であればドナーの巾を従来の1cm程度ではなく可能であれば1.5~2cmにして一回目で二回分とってしまえばいいわけです。
もしも過度のテンションのために巾が少し広くなったとしても傷は一本ですみますから。
院長 今川
以下過去ログ8110より引用いたします。
この件についてParsley博士の意見を引用します。
彼によると1本の傷のメリットは
①1本の傷であること自体。
②2本の傷の間の頭皮の血行が悪くなることを防げる。
③傷の治りが良い患者の体質ならこれが最良。
④2本の傷の間の扱いについて心配がいらないので3回以降の問題が少ない。
(2本の傷がある場合3回以上手術をすると傷の間がとても目立つことが悩みの種になります。つまり2本の傷では3回以上は行いにくい点があります。)
逆に2本の傷にするメリットは
①当たり前のことですが瘢痕の程度は1回だけの傷の方が少ない。
②1本の傷では2回以上とると結果的に巾を2倍大きくとることになり、上下の毛流のひずみがより大きくなる。
③技術的に簡単。
④4㎜の傷が3本あるのと1.2㎝の傷が1本あるのでは1本の方が目立つかもしれない。
(これは手術を繰り返す方が傷が広がるという仮定にもとづく意見です。1本の傷の方が目立たないという見方もありえます。)
1本のメリットは2本のデメリットになり、2本のメリットは1本のデメリットになります。
同じ質問に数人の欧米の有名植毛医がコメントしておりましたが、彼も含めて多くは1本の傷を支持していました。
私はほぼ全例1本の傷にしております。
その理由は
・2本の傷では3回以上植毛を続けにくい。
1本の傷でははるかに可能な回数も多くできる。
(男性型の薄毛では将来の薄毛の進行も完全に予想できません。)
・2本の傷より1本の傷の方が修正が容易だと思われること。
・2本の傷より1本の傷の方がカムフラージュしやすいこと。
(④と反対の意見です。)
・受ける方は1本の方が多分気にならないこと。
などです。
他院でつくられた2本の目立つ傷を多く見てきました。
初回の傷が目立つのにどうして別の所からドナーを取って同じような目立つ傷2本をつくるのか理解できません。
それは受ける側の立場より手術を行う側の論理だと言わざるを得ません。
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