投稿者:MKさん

  • Q

    峡部毛鞘が毛の発生母地?

    2006.05.24

    始めまして。私は植毛を前向きに考えて検討中です。
    先生にお聞きしたいのですが。

    稲葉益巳先生の「峡部毛鞘が毛の発生母地である。」と言う説は
    今川先生はどの様にお考えでしょうか?

  • A

    Re:峡部毛鞘が毛の発生母地?

    2006-05-24

    以前から毛の発生は毛根からといわれていたのですが、稲葉先生は峡部毛鞘(これは皮脂腺の開口部付近つまり皮膚表面にかなり近い部分です)がヘアの発生に重要であるという説を唱えられました。
    稲葉先生はワキガの大家でした。
    彼は治療の過程で皮下組織から皮膚の上層近くまでをけずってアポクリン汗腺とエクリン汗腺の一部を削除する方法を行なっていました。
    ・皮下のアポクリン汗腺を削除すると同じ深さに存在する毛根は破壊されますがそれだけだとわき毛はなくなりません。
    ・皮膚の上層近くまでつまり皮脂腺まで削除するとわき毛はなくなります。
    この事実からヘアの発生に重要なのは毛根ではなく峡部毛鞘だという結論に達したわけです。

    ヘアを3分の1に切断したり2分の1に切断したりそれぞれを植毛し経過を観察したりして、また他のアプローチからも現在のヘアの発生理論は『ヘアの発生は毛根組織と峡部毛鞘の両方が太くしっかりしたヘアの成長に必要である』と結論づけられています。
    毛根のみや峡部毛鞘のみの株では発毛しても産毛化することがわかっています。
    植毛する場合皮膚面から毛根までヘア全体になるべくダメージがない株をつくるのが重要でしょう。

    院長 今川

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