投稿者:ぽんさん

  • Q

    スリット法や縫合方法、その他について

    2022.09.26

    いつもご回答くださりありがとうございます!
    今回も複数の疑問があり、まとめて投稿させて頂きます。

    ①スリット法について。
    過去こちらの相談室にて、『スリット法にはニードルとブレードの2つの方式がありますが、いずれも傷は線状です。』と拝見致しました。素人目線ではニードル(注射痕)は点状で、ブレード(切り傷)は線状の様に思うのですがなぜどちらも線状の傷になるのでしょうか?

    ②FUTの縫合方法について。
    トリコフィティック縫合を行うと傷跡がきれいになるようですが、この縫合での傷跡を実際に見た事がなく、カウンセリングへ行った複数のクリニックではcontinuous sutureやSimple interrupted sutureを取り入れているようです。
    2つの違いについては理解できていませんが、実際に女性の傷跡を見てどちらもよく探しても分からないくらい傷跡の幅もごく僅かできれいでした。
    技術の高い医師が縫合すると、トリコフィティック縫合に劣らず、あるいはそれ以上に自然に綺麗な傷跡になる場合もあるのでしょうか?

    ③抜糸について。
    遠方で施術した場合、溶ける糸を提案される事があります。
    溶けない糸とくらべて若干仕上がりが劣るという点と、過去に抜糸を他院で行い医師がとても苦戦して激痛だった!帰って確認すると糸の取り残しがあった!そもそも他院の抜糸をなかなか受け付けてもらえない。などと目にします。
    植毛医の方々は抜糸についてとても簡単だと仰られるのですが、実際抜糸にも技術差が出るのでしょうか?抜糸がスムーズにいかず傷口をいじくることになると、傷跡の仕上がりに影響しないか心配です。

    ④ピットスカーについて
    Choi式と今川先生が施術される注射針?でスリットを入れ、そこに株を植え付ける手法とではどちらも針を使用しますが、ピットスカーの起こりやすさに差はあるのでしょうか?またChoi式とホールスリットで移植する場合とではChoi式の方がピットスカーになりやすく、はんこんが酷くなると仰る植毛専門医の方もいらっしゃります。どのようにお考えでしょうか?

    ⑤ Choi式、単一植毛について
    『日本では多くのクリニックがこの方法を採用し、韓国ではむしろ主流の方法です。
正直に言わせてもらえば残念なことに私はこの方法で行われた感銘深い結果に現在まで出会ったことがありません。』
    ↑2009年に上記のようにご回答されていますが、13年経ち現在までもChoi式で感銘深い結果には出逢われていないでしょうか?

    とても長くなりましたが素人なりに精査してカウンセリングへ行っても医師により真逆の事を仰られる事が多々あり困惑しています。
    ぜひ今川先生にご教授いただけますと幸いです。何卒よろしくお願い致します。

  • A

    Re:スリット法や縫合方法、その他について

    2022-09-29

    ぽん様

    ①ブレードはカッターナイフのようなもので完全に線です。ニードルは厳密には少し弓状ですが拡大鏡でよく見ても線に見えます。スリット法はニードルとブレードの総称でパンチでくり抜く円い穴のマイクロホール法との比較の総称です。マイクロホールは円があいているので植えつけやすいのが特徴といえますが、組織をとるので高密度の植え付けが難しいこと、植えつけ範囲のハンコン化がスリット法より大きいこと、こめかみなどヘアが皮膚に沿って生えている所では毛向が立ってしまいやすいことなどの問題があって、現在世界中で単一植毛などのスリット法が多数派です。
    ②切開した傷跡の仕上がりは個人差があり5%の割合で巾が少し広がりやすい体質の方がいるとされています。トリコフィティック縫合は採取する帯状の頭皮の下方の上皮を1mm程度削りますが傷からも発毛するので目立たないとされています。ただこれを行ったから絶対にハンコンがきれいになると約束できません。この技術は過大評価されているという海外の植毛医もいます。切り取ったあと連続縫合or1針ずつ個別に縫合する、吸収糸を使うor抜糸が必要な糸を使う、皮内縫合する(2層縫合)or表面だけ縫合する(1層縫合)、など多くの方法が行われていますが、どの方法が良いという客観的な優劣は証明されていません。肥厚性ハンコンなら別ですが、1回目のハンコンで5mm以上の巾ができるケースのほとんどは医師の技術によるという海外の医師もいます。傷の仕上がりが技術力に左右されるのはおっしゃる通りです。
    ③抜糸のやり方で傷跡が変わることはないはずです。抜糸を行ったことがないクリニックは論外ですが、通常の外科クリニックではそれほど抜糸に苦戦しないと思います。
    ④ピットスカーは株の深さと移植部の頭皮の厚みのギャップによっておきます。大きすぎるあるいは深すぎるスリットやパンチの植え付けは株が沈んでピットになりやすいのですが、以前はとても多くおこり最近は大幅に減ったと思います。私の結論は逆でむしろパンチ穴による方法の方がピットを作りやすいと思います。Choi式の方がなりやすいというのは間違いですし、おっしゃっている医師はパンチを使う自分のやり方が優れていると主張したいのだと想像しています。
    ⑤単一植毛針の結果は大幅に改善したと思います。FUEが盛んなヨーロッパの多くのFUE専門医はChoi式と同様の植毛針によって株を植えつけるようになっていると聞いています。
    クリニックは各々自分の方法が最良だと信じ、またそれを患者さんに吹聴しますが、客観的な優劣が本当にあるのならすべてのクリニックはベストを選ぶはずです。そうしなければクリニック間の競争に勝てないからです。方法が色々あるというのは直接それが結果に関係しないということです。
    例え話で恐縮ですが、江戸時代にはいろいろな剣法の流派がありました。某流派が一番強いのならすべての武士はそれを学ぶはずで、そうしなければ負けてしまいます。流派(植毛では方法)ではなくそれを使う武士の強さ(植毛では医師の力量)が重要です。

    ヨコ美クリニック
    院長 今川

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