投稿者:ロッキーさん

  • Q

    スピロノラクトン

    2006.02.05

    もう一つ質問です。スピロノラクトンというアンドロゲンブロッカーが脱毛治療薬として経皮、経口共にネットなどで販売されています。この薬はプロペシアがDHTを阻害するのに対して、受容体(レセプター)に先回りしてその作用を封じてしまうものだそうです。そしてDHTのみならず、テストステロンまでも抑えこむとのこと。そこで質問なのですが、もしテストステロンが男性において毛髪を太くする役割をしているなら逆効果な気がしてしまうのですが、先生はこの薬について知っておられますでしょうか?

  • A

    Re:スピロノラクトン

    2006-02-05

    スピロノラクトン(SPL)はもともと利尿剤ですが、抗アンドロゲン作用があり皮膚科領域でもニキビの治療などにも使われています。
    欧米では男性型脱毛症に使われておりますが効果についての評価は必ずしもよいわけではありません。
    そもそもその使用自体についての批判もあります。
    最近の2つの論文(カナダのトロント大学とデンマークのもの)によると、SPLは利尿作用のため心不全に使うことが多いのですが60~70代の老齢では高カリウム血症と血清クレアチニンの上昇をまねき死亡率が明らかに高まったとされています。
    βブロッカーや抗炎症剤などの他の薬との併用や糖尿病の合併症がある場合はそのリスクが増大することもあり、心不全がないからといって安心できないとのことです。
    SPLを若い方に使用する場合は老齢の方に比べると比較的安全なようですが、長期間使うのはやはり心配です。
    血清カリウムや腎機能を注意してモニターしながらSPLを使う場合それほど強くはないそのヘアへの効果に比べてとうてい割に合わないのではないのかというのが結論のようです。

    院長 今川

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