投稿者:tkさん
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Q
安全エリアから逸脱した範囲から採取した場合について
2021.01.28
いつも興味深く拝見させて頂いております。
過去のいくつかの質問にもお答え頂き本当にありがとうございます。
1つ新たに気になったことがあるので先生にご質問させて下さい。
ある程度多くの株数をFUEで採取しようと思うと、ほぼ例外なく将来AGAの影響を受ける可能性のあるエリアからも採ることになると思います。
実際にそういう施術を受けた患者さんの経過を何年か見続けた際に、最低限フィナステリドを服用していたとしてもAGAの影響で植えた毛(安全エリアから逸脱した範囲から採った毛)が明らかに薄くなり始めたことはあるでしょうか?
私自身過去に他院ではありますがFUEで植毛しており、安全範囲から逸脱してる毛も植えてるので心配になり質問させて頂きました。
フィナステリドはM字以外に関しては毛をAGAから守る力はかなり強いと聞いています。
安全エリアから逸脱した範囲から採っていたとしてもそこは元々フィナステリドが効きやすい箇所のため、薬を飲み続けてさえいれば植毛後もある程度は抜けずに守ってくれることを期待しているのですが実際のところどうのように感じられますか?
数多くの症例を診ていらっしゃる先生の貴重なご返答お待ちしております。
よろしくお願い致します。 -
A
Re:安全エリアから逸脱した範囲から採取した場合について
2021-01-22
tk様
2000株以上のFUEでは例外なく安全な範囲を逸脱した上過ぎる場所からも株が採取されています。今までそれほど問題になっていないのはこの手術が始まってから間がないためで、おそらく将来は必ず問題になると思います。
この問題に対して施術を行った医師の言い分は3つあるとメルボルンの有名植毛医が皮肉っています。
第一の言い分
全ての人がノーウット分類のクラスⅥやⅦになるわけではない。家族の状態を調べてそんな人がいなければ大丈夫ではないか?
→“おそらく”の話です。
第二の言い分
そうなったとしても、それまで長い間受けた人は植毛の恩恵にあずかりハッピーだったではないのか?
→受けた方が判断することです。
第三の言い分
もしそうなったとしても、それに対応するのは次の世代の医師だ。私はとっくに引退しているだろう。
→本音でしょう。
フィナステリドによる維持は可能か?
についてですが、ずっと効いてくれればその通りです。
本当にそうかは神のみぞ知るです。
ヨコ美クリニック
院長 今川 -
Q
Re:Re:安全エリアから逸脱した範囲から採取した場合について
2021.01.22
お忙しい中返答ありがとうございます。
ネットでFUTは危険でFUEなら安全。大量のグラフトの植毛でも一発目からFUEで勧めるクリニック(そもそもFUTが選択肢にない)を沢山見ますが、安全エリアから逸脱した範囲が将来的に薄くなる可能性があることは医者ならもちろん分かっていて、かつその3つの言い分が頭の中にあるのですね、、
少し残念です、、
少し話が逸れてしまうのですが、安全エリアからFUTで採れる総数は6000程度とお聞きしました。
安全エリアから採り尽くしたあと、逸脱した箇所でもFUTを追加で採ることが可能な場合の限界株数はどのくらいでしょうか?
流石に6000採ってそれ以上更にFUTで採るのは後頭部の皮膚の負担的に厳しいでしょうか? -
A
Re:Re:Re:安全エリアから逸脱した範囲から採取した場合について
2021.01.25
tk様
FUTとFUEは各々メリットとデメリットがあって植毛医なら両方の施術をマスターしてケースごとに使い分けるべきだというのが国際毛髪外科学会のコンセプトです。
FUEがFUTと同じ結果で一度で満足できれば確かにFUEは魅力的です。ただ現実には1回目の結果がとてもまばらで2回目も必要なことが多いようです。その場合には多くの株数ではもう一度FUEで対応するのは少々辛いことになるので、可能な限り1回目に濃く仕上げる必要があります。
一方FUTはしっかりした外科的研修が必要で、そうでなければ危険なのは確かです。
FUTで最大株数を採ったとしてまだ株が必要だとしたら線状のハンコンの上下からFUEは可能ですが、その場合にはおそらく1000株以内だろうと思います。そのあとでもう少しとしたらFUEによるヒゲの採取も可能で、ヒゲが濃ければ1000株以上採取できます。
ヨコ美クリニック
院長 今川 -
Q
Re:Re:Re:Re:安全エリアから逸脱した範囲から採取した場合について
2021.01.26
ご回答ありがとうございます。
貴重なお話を聞かせて頂き感謝しております。
日本の植毛医でFUE、FUT両者共マスターしてる医師はどのくらいいらっしゃるんでしょうね…
両者メリット、デメリットあるにも関わらず(お話を聞く限りFUTのメリットの方が大きく感じます)植毛=FUEが最新で安心とイメージ付けしてる日本の植毛業界は、患者のためではなく外科的要素が少ないFUEの方が施術する側のメリットが大きいからなのでしょうか…
今後もお聞きしたい疑問が出てきた際は質問させて頂くことがあるかと思います。その際はまたよろしくお願い致します。お忙しい中本当にありがとうございました。 -
A
Re:Re:Re:Re:Re:安全エリアから逸脱した範囲から採取した場合について
2021.01.28
tk様
施術を行う側から見たFUEのメリットは以下の点です。
・FUTより外科的素養が少なくて済み、慣れてしまえばマスターする時間はFUTより短い。
そのためトルコでは医師以外のスタッフが株採取を行うクリニックがほとんどだと聞いています。
・1株あたりの費用がFUTより高いので利益が大きい。
・株分けの過程がないのでスタッフが少なくてすむ。
クリニックを開業した当初は患者さんが少なく、軌道に乗るまでは時間がかかります。FUTではその間も多くの株分けスタッフが必要なので人件費は大きな負担です。
このような理由で世界中でFUTを学ぼうとするクリニックは少なくなっています。
ヨコ美クリニック
院長 今川 -
Q
Re:Re:Re:Re:Re:Re:安全エリアから逸脱した範囲から採取した場合について
2021.01.28
ご返答ありがとうございます。
どちらにも対応したクリニックが少ないのはそのような理由が背景にあるんですね。
施術する側のメリットがFUTと比べてそんなに大きいとは…日本のクリニックがやたらとFUEを推す理由が分かった気がします
お忙しい中貴重なお話、本当にありがとうございます。
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