投稿者:SmiLeさん

  • Q

    他院の症例と株分け

    2008.08.07

    コラムのテーマをいくつか応募させていただいた者です。

    他院の症例ですが、以下のデータで手術を行った例を知りました。
    1回目:M部に約2600本
        S…125株 F…401株 M…420株 全株数:946株
    2回目:頭頂部から生え際まで約4720本
        S…0株 F…400株 M…980株 全株数:1380株
    ※不適切であれば削除してください

    上記の例について質問があります。

    1.S…1本毛株、F…2本毛株、M…4本毛株として計算すると、
     合計がちょうど植毛本数となるので、実際そのような本数の3種類の株を
     移植した例と考えて問題ないでしょうか?

    これが正しいと考えた場合、2,3の疑問が出てきました。

    2 .1回目、2回目共に、なぜ3本毛株の数がゼロなのでしょうか?

    貴院の植毛相談ドットコムの「4.日本人のFUはどうなっているか」に
    FUの平均比率(1本毛30%・2本毛54〜55%・3本毛15%・4本毛0〜1%)
    と書かれてあるのですが、上記経験者の例においては、
    1回目は、1本毛株13%・2本毛株42%・3本毛株0%・4本毛株44%
    2回目は、1本毛株0%・2本毛株29%・3本毛株0%・4本毛株71%
    となり、日本人のFUの平均比率からしても1本毛株・2本毛株が少なく、
    3本毛株はゼロ、4本毛株が異常に多いという通常と異なる状態かと思います。

     2-1.
     このことから、3本毛株がゼロであるのは、
     フォリキュラー・ダブルフォリキュラーといった「FU単位」ではなく、
     クリニックが最初に決めた(1本毛、2本毛、4本毛という)「本数単位」
     で株分けされたものだからではないでしょうか?
     (FU+MFUというより、マイクログラフト+ミニグラフトという視点?)

     2-2.
     2-1が正しい場合、このような「株の比率が操作される本数単位の株分け」
     においては、全てをフォリキュラー・ダブルフォリキュラーというFU単位で
     切り分ける事はできず、分断されるFUが必ず発生するのではないでしょうか?
     (3本毛のFUであれば、1本毛と2本毛の分断されたマイクロ株に分けられ、
      これがSとFの株としても使用されているなど)

    2-3.
     2-2が正しい場合、このようにFUを分断するすることで、
     本来のFUの機能を失い、もともとそのFUに含まれていた毛は、
     定着率が落ちたりしないのでしょうか?
     (どこかのクリニックのHPで似たような事を読んだ記憶があります)

    2.-4.
     このような「株の比率が操作される本数単位の株分け」においては、
     4本毛株であるMの中には、ダブルフォリキュラーだけでは4本を満たせず
     (接している2個のFUだけでは4本に満たず)
     トリプルフォリキュラーとして存在している株も多いのではないでしょうか?


    3.2回目で、1本毛株であるSの数がゼロで、
     4本毛株であるMの割合が1回目よりかなり多いのはなぜでしょうか?
     頭頂部から生え際の範囲では、その方が結果が良いからでしょうか?

    以上、株分けのイメージが湧かないので、
    的外れな質問をしてしまっていたら大変申し訳ございませんが、
    宜しくお願い致します。長文失礼致しました。

  • A

    Re:他院の症例と株分け

    2010-01-29

    ご投稿ありがとうございます。

    このようなことは当事者のクリニックが答えるべき事柄だと思いますが、努めてあなたの質問に答えるようにいたします。
    多分S=single hair graft(1本毛)
      F=follicular unit graft(FU株)
      M=multi follicular graft(MFU株で一番小さいダブルフォリキュラー株でミニグラフトと同じ)
    でしょう。
    日本人のFUのデータはおっしゃる通りで平均2.0本ですがもし2本だとするとFは平均2本/株、Mは平均4本/株となるわけです。

    基本的にミニグラフト+少数のFU株のコンビネーションで行っていると思います。
    cut-to-sizeつまり以前のやり方は機械的にサイズを大中小に株分けしてヘアラインから小中大と奥にいくにしたがってグラデーションをつけていくのですが、これをFUにおきかえて表現しているだけのことです。
    なぜ3本毛がないのか?
    株の中に毛穴が2つ入っているか1つ入っているか以上のより細かな本数のカウントをしていないからです。
    つまり1つの毛穴は2本のヘアでできているということだけしか考慮していないと思われます。
    4本毛というのはもともと日本人では毛穴の0~1%です。
    4本毛イコールミニグラフトと考えて下さい。
    つまりダブルフォリキュラー株1つを4本にカウントしているだけで(実際には1本毛+2本毛のように3本のものもありますが)つまり2本毛+2本毛ということでそのようにしているだけです。
    このクリニックでいただけない点は株数はともかく移植毛の本数をカウントもしないで具体的な数字で説明している点です。
    端数まで説明された方々は具体的にカウントされた本数だと感じるはずです。
    数字を説明する場合その根拠が必要です。
    日本人のFUは平均2本と言いましたが正確には1.7~2.0本です。
    1本毛が多く3本毛が少ない方は1.8本かもしれません。
    そうだと仮定すると1回目は125+401×1.8+420×3.6=2358本となり2回目は400×1.8+980×3.6=4248本となります。
    実際はこのていどのいいかげんな数字だといえます。
    ( F株だけでもカウントして1本毛、2本毛、3本毛の比率をみればFU1コあたりのヘア数が予想できます。
    もっともF株もFU株ではない可能性がありますが。)
    ②-1
    何度もいうようにダブルフォリキュラーを4本と機械的にカウントしているにすぎません。
    このクリニックはあなたの考えているような複雑なプロセスを考えているわけではないと思います。
    ②-2
    意識的に1本の株(1本毛だけではなく2本毛をわざわざ1本にする、つまりマイクロ株も含まれます)、2本の株(FUの多くは2本です)、4本の株(ダブルフォリキュラー株の多くは4本です)と機械的に分けているにすぎません。
    FUというからまぎらわしいわけで、むしろ以前のミニ・マイクロ植毛をイメージした方がよさそうです。
    ②-3
    その点についてはよくわかりません。
    マイクロ・ミニグラフトとFU株による生着率の検証はむずかしい議論になります。
    生着率うんぬんは株の種類の要素だけではないからです。
    ただ2本毛を1本毛にしても生着率は落ちないことは証明されています。
    小さな株だから生着率が低くなるということはなさそうです。
    ②-4
    そうだと思います。

    もともとクリニックが意識して株分けの時に大きさをコントロールしているのであってツムジに大きい株をつかってもばれないからそうしているだけのことです。
    小さな株をつくるより大きい株の方が能率が良く、株の数の割りに手術費用が高くできるからにちがいありません。

    大切なことは“自然さ”であってツムジでもミニグラフトはよくみると不自然さはヘアラインと同じです。
    ただ自分でそれがわからない、またそのことでの不満が少ないというだけのことです。
    みえない所は手を抜くという姿勢は問題だと私は個人的には思いますが、他の植毛医が私と同じ意見かはわかりません。

    〈結論〉
    FUが株分けの単位になるという概念は現時点で常識ですが、すべてをFUごとに株分けする方法がFUTであって株分け時にFUを意識することとは違います。
    大昔のパンチグラフトも現在行ったとしたらFUを意識する株分けになるはずですし5~10FU/株のMFU株と呼ばれることでしょう。
    ここの所をそのクリニックは無知のためか意識的にかわかりませんが混同し、自分達の方法をFUTとさえ主張しております。
    あなたの方がよほどFUTの概念がわかっているようです。

    院長 今川

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