投稿者:Rさん

  • Q

    プロペシアの疑問点

    2007.02.27

    今川先生こんばんは。表記につきまして、貴院で行われる国際会議にプロペシアの開発者が参加されるとの記事を見ましたので、
    下記の(個人的な)疑問点についてその際にお尋ねいただけると幸いです。

    (1)フィナステリドの追跡調査は5年までのデータした公表されて
     いないが、その後の追跡を行っていないのか。

    (2)(1)に関し、よく見聞するのは外見の判定に関するもので
     あるが、5年間の追跡調査中、血中DHT等の変動は
     あったのか。

    (3)年々効果が減少する事について、原因は何だと
     考えられるか。
    (4)(3)について、昔から俗称『フィナの耐性問題』と呼ばれ、
     回避方法が素人同士で議論されているが、
     方法の一つに日日を空けて服用するという手法が
     言われているが、このことのメリット/デメリットに
     ついてどう考えるか。

    (5)(4)と比較して、毎日一定量服用することのメリット/
     デメリットは何か。

    (6)何故ヘアライン周辺だと効果が薄いと考えられるか。
     開発者としての考察について(あくまで考えレベル)。

    (7)経口ではなく経皮使用(ローション化した製品)において、
     5α-R?のみならず5αーR?を選択的に阻害するという
     効能を謳った商品もあるが、実際に理論上あり得るのか。

  • A

    Re:プロペシアの疑問点

    2007-03-08

    ご投稿ありがとうございます。


    ①フィナステリドの追跡調査は5年までのデータしか公表されていないが、その後の追跡を行っているのか?
     
     5年で追跡調査は終了しているようです。

    ②①に関し、よく見聞するのは外見の判定に関するものであるが5年間の追跡調査中、血中DHT等の変動はあったのか?

     投与継続中、血中DHTの濃度の抑制は維持されていたということです。

    ③年々効果が減少する事について、原因は何だと考えられるか?

     その点についての欧米の文献を紹介いたします。
     通常、毛髪のヘアサイクルは個々に異なりますが、フィナステリド投与開始によりDHT低下作用を受けた毛髪は同調して成長期に移行し、一斉に毛髪が太く長く成長すると考えられます。
     しかし、ヘアサイクルの周期は個々の毛髪により異なっており、その後は同調性が失われていくと考えられます。
     その結果、毛髪数は投与開始1~2年後においてピークに達し、その後減少する事にますがベースラインを上回るレベルでプラトーとなり、そのレベルは通常維持されます。
     ( Kaufman KD.et al.Eur.J.Dermatol. 2002;12(1):38-49. ) 

    ④③について、昔から俗称『フィナの耐性問題』と呼ばれ、回避方法が素人同士で議論されているが、方法の一つに日日を空けて服用するという手法が言われているが、この事のメリット/デメリットについてどう考えるか?

     ③で述べたように、効果がなくなるように見えるのは個々の毛髪のヘアサイクルの周期の違いによって同調性が失われるためと説明されています。
     また隔日投与による有効性・安全性について検討したデータはありませんが、フィナステリドの最大の効果を得るには毎日規則正しく服用することが必要といわれています。

    ⑤④と比較して、毎日一定量服用することのメリット/デメリットは何か?

     毎日服用する方が血中のプロペシア濃度が一定にしやすい、つまり変動が少ないというメリットがあります。
     毎日服用するのが面倒だというのがデメリットと言えるのかはわかりません。
     また、もし同じ量を服用するとすると隔日に一錠と毎日半錠という場合、毎日では錠剤を割るという作業が必要になります。
     この作業は製薬会社が反対していますが正直どの程度の不都合かは分かりません。

    ⑥何故ヘアライン周辺だと効果が薄いと考えられるか?
     
     解明されていないと思います。

    ⑦経口ではなく経皮使用(ローション化した製品)において、5α-リダクターゼⅡ型のみならず5α-リダクターゼⅠ型を選択的に阻害するという効能を謳った商品もありますが、実際に理論上あり得るのか?

     経口であれば5α-リダクターゼⅡ型だけでなく5α-リダクターゼⅠ型も阻害する薬剤はありますがローション化された製品については理論上はあり得ると思いますが実際の情報はないようです。
     個人的にはローションの形でで血液中のDHTレベルをどの程度下げられるかとても疑問です。
    NO.10228 tえ様への御質問について、

    DHTの量は人によって差が大きいものなんでしょうか?
    この量が多い人にはフィナは1割程度の人には効かないとありますが、その考えられる理由とは何でしょうか?

    DHTの量には個人差がありますが、DHTの量とフィナステリドの効果の相関性については検討されていません。
    また、フィナステリドが効果を示すかどうかについては、理論的にはアンドロジェンレセプターの変異や5α-リダクターゼⅡ型の変異が関係する可能性などが考えられますが十分なデータは得られていません。
     
    院長 今川  

  • Q

    Re:Re:プロペシアの疑問点

    2007.03.09

    非常に参考になりました。
    特に論文の提示はありがたいです。一度探してみます。

    【同調性の喪失】という事ですが

    ?服用期間中DHTの抑制が見られた
     =薬剤そのものの薬効は問題なく持続していた

    ??により、効果が減少していくように見受けられるのは、
     生えてきた髪のサイクルの同調性が喪失されることにより、
     服用により生えている毛髪量は変動がない(少ない)が、
     個々のサイクルの差違により「見かけ上」毛髪が少なく
     なっていると感じる。
     その後はしかしながら薬効そのものが低下するわけでは
     なく、ある程度のレベルで維持しうる
     (少なくとも5年間においては)

    という理解でよろしいでしょうか?
    特に?に関しては、前立腺治療のデータでも同様の効果を示しているようであるので、いわゆる耐性(本来は寛容性という言葉が適当でしょうか)がいつかは生じるにしても、5年間のスパンではそれが問題の本旨とまでは言えないということだと、理解して問題ないでしょうか?

    (というか、そもそもTSが5α-R?と結合することを阻害するのが本旨で、寛容性という問題が生じるのか疑義があります。そのあたりはどうでしょうか?)

    あくまで参考で結構ですので、今川先生の見識をご教授ください。

  • A

    Re:Re:Re:プロペシアの疑問点

    2007.03.10

    おっしゃるようにフィナステリドは5α-RⅡに作用してテストステロンのDHTへの変換を阻止するわけで、その薬効自体は持続すると考えます。
    個人的にはフィナステリドの耐性の存在については疑いを持っております。
    ただこれらの点については正直私も門外論だと自覚しておりますし、正確な返答ができるという自信もありません。
    あしからず。

    院長 今川

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