初回とは別の場所に行うのなら、ドナーの回復を待って3ヶ月後くらいに。
同じ場所であれば、最短でも6か月後が目安

2回目の手術を行う場合、次の2つのケースが考えられます。

(1)初回とは別の場所に植毛する場合
(2)密度を上げるために、前回と同じ範囲に植毛する場合

結論からいうと、まず(1)のように1回目に植毛した範囲以外のところに植毛するというのであれば、ドナーの傷やテンションが十分に回復するのを待って、3か月後くらいに2度目の植毛をするといいでしょう。

ドナーの突っ張り感が改善しない状態で同じ傷からドナーを採ると、テンションによって傷が広がったり、ドナーの休止期脱毛（この場合は通常3～4か月後に発毛します）を起こす可能性があるからです。

一方、(2)のように、同じ範囲に植毛するとなると、ドナーの回復具合だけでなく、1回目に植毛した部分の発毛状態も考慮する必要が出てきます。発毛は普通3～6ヶ月で完了するので、完全に生えそろう6ヶ月は待ったほうがいいということになります。

密度を上げる目的で同じ範囲に植毛する場合、「できるだけ早く2度目の手術をして、理想の状態に近づけたい」と植毛を希望する方が考えるのは当然のことでしょう。

ただ、短い期間で同じ範囲に植毛すると、最初に植えてまだ発毛していない毛母細胞に、スリットによるダメージを与える可能性が高く、その分、余分なドナーが必要になるというリスクがあります。

密度を上げるための2回目の手術の場合、まず、後述するワンスカーテクニックを用いて、前回の傷と同じ場所から、幅1～1.2cm程度、長さは前回と同じくらいを切除してドナーを採ります。
次に、植え込みのためのスリットを、今度は前回に植えた毛根と毛根の間に入れていきます。そのため、手術後のカサブタもヘアの間に隠れて初回ほど目立ちません。

手術後、後頭部の突っ張り感は残りますが、これも前回とほぼ同様かやや強めだと考えてよいでしょう。
この突っ張り感も2週間程度で気にならなくなるはずです。

私の見たところ、1回目は過度に緊張していた方も、２回目のときは、気分的にもリラックスして手術を受けてくれているのがわかります。
また、最初の手術後は、シャンプーするのもおそるおそるといった感じで、カサブタがなかなか取れないといったこともよくあるのですが、2回目は怖がらずにシャンプーもどんどん行えるため、カサブタも1回目より早く取れるケースが多いようです。