投稿者:ƿ ̾さん
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Q
2回目について
2006.02.03
2回目を受けるとなると、悩むのがドナーを前回と同じところから採り、傷を1本にするか、別のところから採るかということです。
今川先生は同じところから採るべきだとお考えのようですが、別のところから採るべきだと主張されている医師も少なくないですよね。最終的には自分の判断だと思うのですが、やはり難しい決断だと思います。
私的には、1本にするメリットは、傷が一本で済む。デメリットが
傷が長くなる、突っ張り感が強く残る。
2本にするメリットは、2本だが長さが短くて済む、突っ張り感が残りにくい。だと思っているのですが、他にも何かありますか?
また、今川先生が、この2つの選択で、双方のメリット、デメリットを天秤にかけた結果、同じところから採る方法を推奨される理由は何なのでしょうか?
質問が長くなり申し訳ありませんが、宜しくお願いします。 -
A
Re:2回目について
2006-02-03
ご投稿ありがとうございます。
去年のクリスマスに同じようなご質問がありました。
過去ログ(NO.8110)をチェックするのも大変かもしれませんのでここにコピーしておきます。
参考にしてください。
『この件についてParsley博士の意見を引用します。
彼によると1本の傷のメリットは
①1本の傷であること自体。
②2本の傷の間の頭皮の血行が悪くなることを防げる。
③傷の治りが良い患者の体質ならこれが最良。
④2本の傷の間の扱いについて心配がいらないので3回以降の問題が少ない。
(2本の傷がある場合3回以上手術をすると傷の間がとても目立つことが悩みの種になります。つまり2本の傷では3回以上は行いにくい点があります。)
逆に2本の傷にするメリットは
①当たり前のことですが瘢痕の程度は1回だけの傷の方が少ない。
②1本の傷では2回以上とると結果的に巾を2倍大きくとることになり、上下の毛流のひずみがより大きくなる。
③技術的に簡単。
④4㎜の傷が3本あるのと1.2㎝の傷が1本あるのでは1本の方が目立つかもしれない。
(これは手術を繰り返す方が傷が広がるという仮定にもとづく意見です。1本の傷の方が目立たないという見方もありえます。)
1本のメリットは2本のデメリットになり、2本のメリットは1本のデメリットになります。
同じ質問に数人の欧米の有名植毛医がコメントしておりましたが、彼も含めて多くは1本の傷を支持していました。
私はほぼ全例1本の傷にしております。
その理由は
・2本の傷では3回以上植毛を続けにくい。
1本の傷でははるかに可能な回数も多くできる。
(男性型の薄毛では将来の薄毛の進行も完全に予想できません。)
・2本の傷より1本の傷の方が修正が容易だと思われること。
・2本の傷より1本の傷の方がカムフラージュしやすいこと。
(④と反対の意見です。)
・受ける方は1本の方が多分気にならないこと。
などです。
他院でつくられた2本の目立つ傷を多く見てきました。
初回の傷が目立つのにどうして別の所からドナーを取って同じような目立つ傷2本をつくるのか理解できません。
それは受ける側の立場より手術を行う側の論理だと言わざるを得ません。』
「別のところから採るべきだと主張している医師も少なくない」とのことですがこの件についてのディベートは日本の学会ではされたことがないと思います。
私が1本の傷を選択する一番大きい理由は「2本のきたない傷を修正することはとてもむずかしい」ということです。
初回がきれいな傷なら2回目を1本にするか2本にするかはどちらでもいいのかもしれません。
反対に1本目の傷がきれいでないなら2本目の傷もそうなると予想されます。
それを承知の上で別の所から採るのはいかがなものかと思います。
言わせてもらえば残念ながらすべての方がきれいに治るわけではありませんが、傷にこだわることは当然必要です。
1本とか2本とか以前にきれいに仕上げる技術をまず習得することです。
マニュアルでの一律のドナー採取でも傷のみをみると術者が特定できるということです。
院長 今川
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