投稿者:どちらが?さん
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Q
教えてください
2005.10.11
いつもこの掲示板で勉強させていただいております。
今川先生等、MFUを批判的にとらえておられますが
素人にはあまり意味がわかりません。
そこでMFUとFUのメリット、デメリット、見た目の
仕上がり、密度等をそれぞれ教えていただけないで
しょうか?よろしくお願いいたします。 -
A
Re:教えてください
2005-10-11
Re: 教えてください 横美会 -
ご投稿ありがとうございます。
MFU株(マルチフォリキュラー株)というのは、1つの株に2つ以上のFUが含まれるもので、以前のミニグラフトと同義語です。
世界中のほぼすべての植毛医が一部または全部にFU株をつかうようになったので、そのような名称にかわったわけです。
ずっと以前のパンチグラフトもMFU株に含まれます(過去ログNo.6928・6955)。
FUは1m㎡に1コ程度存在しております。
MFU株は最低2コのFUとその間の頭皮(FU同士は0.5~0.8㎜の距離があります)も含まれますから大きな株になります。
当然大きな株をうえこむために大きなスリットが必要です。
MFU株のデメリットは
①自然さで劣ること
ヘアが細い方、ツムジなどに植えた場合は気付かれませんが、ヘアラインはMFUを入れると不自然だと思います。
もちろんこれに気づかない方は多いかもしれません。
インターネットの写真ではこれも一見わかりにくいのですが、拡大鏡などをつかってアップにするとすぐにわかります。
FUTやFUEの提唱者でカリスマ植毛医のラスマン博士は以前あなたと同じ質問に対して
「医師がMFU株をつかう理由は、彼らがFUTを学ばなかったり、実際に行なう努力ができなかったのか、それをしようとしないためです。
彼らは明らかに結果がちがうのに同じだと主張していますが、国際毛髪外科学会の患者のデモにおいてMFU株は明らかに劣っています。
MFU株の支持者が劣っていないと信じたいのは『裸の王様』の物語のようです(まわりの人は服がなくて笑っているのに本人だけが立派な服だと信じている、という意味だと思います)。
シェークスピアいわく、『たとえ他の名前をつけられても本物のバラは甘くにおうだろう』MFU支持者はこの有名なフレーズを勝手に言い換えるつまり『造花のバラは遠くから見ると本物そっくりだ』と・・・」
私も以前はFUとMFUをミックスさせておりましたがラスマン博士や多くの尊敬できる植毛医と同様なるべくMFUをつかわないようにしております。
MFUを多用する植毛医は自分の薄毛を改善したい場合絶対に自分にはそのテクニックはつかわないだろうと思います。
私は当然のことですが自分がうけたい手術を患者様にも行なうべきだと考えます。
②スリットが大きいのでショックロスのリスクが大きいこと。
③ 〃 植え付け部分の瘢痕化が大きいこと。
④ 〃 眼のハレのリスクが大きいこと。
です。以上は反対にFU株のメリットになります。
MFU株のメリットは
①同じ本数で株の数が少なくてすむ、つまり手術時間も短くなること。
②一株いくらでの料金設定がされていると手術費用がFUTより安くなること。(これは欧米でのメリットですが日本ではそうでもないようです)
③MFU株は大きく丈夫でデリケートな操作の必要がより少ないこと。(つまり経験が少ない植毛チームにも扱いやすい株だということです)
④FUの間の頭皮も株に含まれているのでそこに存在する休止期のヘアのロスが少ないと考えられること。(この考えを裏付ける証拠はありません。実証されないことを根拠に良い悪いをうんぬんすること自体ナンセンスです)
以上の反対はFU株のデメリットです。
結論からいうとMFU株を用いることでのメリットは主に手術をする方にあって、うける方にはほとんどないということです。
小さい株の方が同じ面積に多くの本数を植え付けにくいのは確かですが同じ本数を植えられれば大きい株の方が濃く見えることはありません。
また発毛率についてですが小さな株の方がより慎重な管理が必要とされますがもしそれが可能ならFU株とMFU株の発毛率に差はないと思います。
院長 今川
Re: 教えてください どちらが? -
詳しい説明どうもありがとうございました。
理解できました。
また、わからないことがあったらよろしくお願いします。
Re: 教えてください 横美会 -
ご遠慮なくまたお便り下さい。
院長 今川
Re: 教えてください 髪茂 -
他院での説明文で恐縮ですが、「NHT式自毛植毛の最大の特徴は、休止期の毛根を生かして発毛に導くことです。その結果、植毛本数よりも多い数の髪が発毛してくる場合が多いのです。そんな夢のようなすごいことが実際にできるのでしょうか。当院のアメリカ、カリフォルニア本院の院長であるSteven C. Chang博士の研究が発表されていますので、上記のサイトをご参考になさってください。NHT式自毛植毛では、休止期の毛根が効果的に発毛しますので、約1年後に100~110%の発毛率が確認できた症例も多く経験しています。これはNHT式自毛植毛の大きな特徴で、休止期のドナー毛根を生かして無駄なく植毛株に切り分けて発毛させた結果です。」と述べておられます。そこで失礼とは思いますがヨコ美クリニックでも休止期の毛根の株分けもされておられますか?私も出来ることなら、休止期の毛根も傷つけずに株分けをして欲しいと思っています。
Re: 教えてください 横美会 -
ご投稿ありがとうございます。
既存のヘア(FU)の間に見えない休止期があってそれを含めて大きな株(MFU株といいます)に株分けすると、それらも無駄にしないで利用できるというのがその言い分のようですが、
1)休止期のヘアのほとんどは顕微鏡で確認できます。
休止期のヘアが見えないということは誤解です。
この点については1998年に皮膚科医でFUTの父といわれているLimmer博士が論文を書いています。
2)1本毛に見えるものが発毛すると2本毛になることがあります。
つまり1つの毛根の1本だけ休止期になることはよくあります。
ヘアが存在していないように見える所から休止期だったヘアが発毛するということはあるのか?
この実証はありません。
通常休止期のヘアは10%程度だといわれておりますが、全ての休止期のヘアがある時点で一斉に発毛するということもありませんし、もしこれが事実だと仮にすればむしろ休止期のヘアが発毛したというより、植毛によって成長因子が退行変性した毛根を活性化したとか、他の理由を考えないといけないかもしれません。
FU株でもMFU株でも植えた本数より発毛数が多いという実験はありますがこのように実証されないことを根拠に自分達の方法を正当化するのはナンセンスです。そうだとしたら極論すればパンチ植毛が一番良い方法だといった植毛医もおりました。
3)もしその言い分どおりだとしても、MFU株にはそれ以上の大きなデメリット(不自然さ、ショックロスによる既存のヘアの喪失など)があります。
院長 今川
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