投稿者:ちゃびんさん

  • Q

    真剣に検討してます

    2005.05.12

    初めまして。質問させてください。現在40歳(男)です。

    30半ばをすぎて急激に薄毛が進行し、もともとソリが入っていた
    M部がさらに進行しています。さらに頭頂部も気がつけば旋毛を
    中心に脱毛が広がりカッパ状態です。多分遺伝です。
    数年前からミノキシジルを使用し、一年ほど前からプロスカーの
    飲用も併用し始め、頭頂部に関してはピーク時よりもやや脱毛部
    がせばまったかな?という感じですが相変わらず、周囲の髪や
    前頭部の髪をオールバック状に後ろに流して隠している状況です。
    完全な縦型バーコードになる前に何とか対処したいと真剣に植毛
    を視野に入れているのですが・・いくつか質問させてください。

    ?もともと髪の量は多い方でなく、残っている髪も密度が濃い
    わけではありません。加えて年齢的なことも考えると植毛自体も
    劇的にフサフサ・・というよりも、むしろ旋毛中心部の地肌の
    露出を残して脱毛範囲をせばめるという状態の方がリアルに感じ
    るのですが、そのように微妙な状態を手術で表現することは可能
    なのでしょうか?たとえば旋毛の中心部に向かうほど密度がうすく
    なるといったような・・・。

    ?私のような頭でもミノキとフィナステライドで現状維持の効果
    が出ているのだとしたら手術後もミノキ塗布やフィナの飲用は不可
    欠なのでしょうか?それともどちらかを思い切ってやめてしまって
    も問題ないのでしょうか?ちなみにM部への塗布は全く行ってません。また術後も塗布するとしたらそれは植毛部分(=過去の脱毛
    箇所)ということになるのでしょうか?

    ?「休止期のドナーを生かして、移植本数よりも多い数の髪を発毛
    させることが可能」という改良型のFUT方式を謳い文句にして
    いる某クリニックがありますが、先生のところではこのような
    処置は現在やっていらっしゃらないのでしょうか?

    ?手術後完全に植毛したとわからなくなるまでの間、美容室を
    変えようかと思っているのですが、貴クリニックでプライバシー
    に配慮してくれるような提携美容室などはございますか?
    (私は都内在住ですが)

    以上、初めての投稿でこのような長文の内容の質問になってしまい
    大変申し訳ございません。他の常連様の気分を不快にさせてしま
    ったとしたら深くお詫びいたします。
    すべての質問でなくてもかまいませんのでお答えいただけたら
    と思います。宜しくお願いいたします。

  • A

    Re:真剣に検討してます

    2005-05-12

    Re: 真剣に検討してます 横美会 - 2005
    お問い合わせありがとうございます。項目ごとにお答えいたします。
    ①植毛は”失われたヘアより少ない本数のドナーのヘアを使っていかにもとに近い状態に近づけるか?”という技術です。限られたドナーを広い薄毛の範囲に植え付ける場合あなたのおっしゃるような現実的な対応が必要でしょう。
    ツムジは放射線状に毛流が広がっているのでそこは地肌が見えやすいところですが、その周辺にヘアが重なり中心より濃くなるのであなたのイメージに近い状態になります。つまりそれは可能だと思われます。
    ②薬物で薄毛の進行をとめられるので植毛したあとでも維持を目的として使用したらいいと思います。どちらか一方だとしたらフィナステライドの使用をお勧めします。
    発毛を早める目的以外でのミノキシジルは必要ないと思います。
    ③これはとても興味のある質問ですし私もこれについて少し長い答えをさせていただきます。
    某クリニックの主張について反対意見を述べさせて頂きます。
    ・彼らは自分の方法をFUTと主張しているようですが、少数のFU株と多くのMFU株(マルチフォリキュラーユニット株)をミックスしてつかっております。つまりMixed Graftingという技術です。
    ・本来のFUTとは
    1)ひとつのFUごとに株分けする
    2)全てを顕微鏡下で株分けする
    3)マルチ(ダブルも含まれます)ブレードナイフをつかわない
    という厳密な定義があり、彼らのは厳密にはFUTとはいえないと思います。
    従来のミニグラフトはMFU株(1個の株に複数のFUが含まれる)と名前が変わりましたが、複数のFUごとに株分けするのもFUTなら極端に言えばパンチグラフトもFUTになります。
    大きな株では小さく株分けするより休止期のドナーのロスが少ないと主張しているわけですが、その根拠となる確かな証拠はありません。そもそも休止期のヘアが見えないということ自体が間違いで、拡大してよくみればほとんどの休止期のヘアは確認できるといわれています(1997年のDr.Limmerのリポート)。100本入れたらそれより少し多く発毛したという報告も確かにありましたがもし10~50%増えるなら植毛を繰り返すほどヘアは増えることになります。
    それこそ手品のようで歓迎すべきことですが(笑)
    ちなみに休止期は全体の約1割といわれています。
    もともとないものがあとで増えることはありえません。

    ・国際毛髪外科学会で過去に金賞(アカデミー賞に例えれば主演男優賞)をとった数人の医師達はいちようにMFU株は自然さでFU株に劣るのは周知の事実であるといっております。ある医師は「裸の王様」を例えに出して「MFUをつかう理由は彼らがFUTを学ばなかったりつかう努力をできなかったためだ。周りの人(同業者)は笑っているのに本人だけがFU株に劣っていないと信じたいのだ」とさえいっています。MFUは長年使われてきましたがこれを”改良”だとか”進歩”だと言われると眼が点になってしまいます。

    ・某クリニックがそのように主張し、日本形成外科学会(これは口演ではなくディベートできないポスター展示に過ぎません)や皮膚科の学会でそのように発表したことは存じております。ただこれは植毛専門医がほとんどいない学会です。
    そのような発表は植毛の専門の学会でなされるべきだと思います。私も学問の場では喜んでその議論に参加させて頂きます。
    (学会で発表することと、発表が認められることはちがいます。学会の発表をPRに利用するのは問題でしょう。)

    ④残念ながらそのような美容室は現在ありません。

    院長 今川






    Re: 早速のご返答感謝です ちゃびん -
    ④に関しては残念でしたが・・・今後術後のプライバシー保護を
    サポートしてもらえるような施設ができることを個人的には希望す
    る次第です。

    実は一番聞きたかったのが③の件でした。厳密には施術法が違う
    という認識でよいということですね。某クリニックの方が料金が
    割高ですが、その分、より多くの発毛が期待できる「お得な」
    手術法だと思っていたので・・。納得しました。

    ①のお答えもなんだか自分のイメージ通りの結果が手術で得られ
    そうで、より手術をする決意が固まりつつあります。
    一度カウンセリングを受けてみたいのでその時はヨロシクお願い
    します。





    Re: 真剣に検討してます 横美会 -
    カウンセリングお待ちいたしております。

    MFUについてもう一言
    後頭部のFUは日本人では80コ/c㎡、つまり1m㎡に1コ程度存在することになります。2つのFUがくっついた状態の2FU(フォリキュラーファミリーとかフォリキュラーグルーピングといわれます)は0.2~0.5ミリの間隔で存在するのもありますが、多くは1ミリ以上の距離で離れています。
    このようなFUを2FUに株分けると計2つのFU+その間の頭皮を含む最低1.2ミリ以上のサイズになります。
    MFU株のメリットがあるとしたら
    ・株が大きいので同じ本数では株数を少なくできる
    ・株が大きいので小さな株より扱いやすい
    (乾燥にも強く丈夫だという意味です)
    そのためキャリアの浅いまたはまちまちの植毛チームでもそこそこの結果がみこまれる。
    ・話題になったFUの間の頭皮にあるかもしれない休止期のヘアのダメージを予防できるかも・・・これには反論があります。
    一方デメリットは以下になります。
    ・自然さで劣る(見る人が見ればその違いはわかります)
    ・ショックロスが大きい
    ・植えつけ範囲のハンコン化がより大きい
    ・小さな株に比較して株の植えつけ密度を高くしにくい
    (下3つはスリットが大きいことによるデメリットです)

    私の結論としては植毛チームにとってMFU株が都合がよく、受ける方にとってはFU株の方が良いということです。

    情報を開示するなら自己の方法のメリットだけでなくデメリットも正直に言うべきでしょう。

    MFU株はヘアの細い方や、白髪の方にはFU株と同様の結果が得られると思います。一般的にMFUをつかう場合は二つのFUの距離のきわめて近いもの(フォリキュラーファミリーorフォリキュラーグルーピング)か、あらかじめ全てFU株にしたものを2つ束ねて1つ株としてスリットに入れる(フォリキュラーペアリング)べきだと考えます。
    これらを”改良”とか”進歩”というなら私もよく納得できます。

    院長 今川

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