投稿者:33歳男さん
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Q
頭皮の余裕と美容外科的縫合
2004.07.09
今川先生いつもお世話になります。
頭皮に余裕があるほうがドナーの傷跡が細くなるとのことなのですが、自分の頭皮はカチカチで1cmなんてとても取れないのではないかと心配です。
また、頭皮がつっぱってると全体的に禿げやすくなるとも聞きます。
頭皮に余裕がないために、施術は薦められないといったことはないのでしょうか?
また、傷の縫合に関してなのですが、傷自体の縫合に加えて、縫合部に余裕を持たせる為に幅1cm長さ2cmほどのステッチを上から大きく入れるといいと聞きました。
美容外科ではよく使われる方法らしいのですが、このような縫合もこちらでやっていただけるのでしょうか?
よろしくおねがいします。 -
A
Re:頭皮の余裕と美容外科的縫合
2004-07-09
Re: 頭皮の余裕と美容外科... 横美会 -
ご投稿ありがとうございます。
頭皮はとても余裕があったりあまりなかったりと個人差が大きいのですが、東洋人は頭皮の硬い方が多いようです。
・頭皮に余裕がないとドナーの傷に幅をもちやすいことは事実ですが、余裕のとてもあるケースも同様に幅をもちやすくなります。先天的に伸びが異常といえるほどある疾患(Ehlers Danlos症候群)があるのですが、この場合非常に傷の幅が広がることが知られています。要するにほどほどが良いということです。
・頭皮が硬くてドナーがとれなかったケースというのは現在までありませんでした。最低でも2回は(計8000本くらい)できると考えております。それ以上の場合はかりにドナーを切り取るのがしんどくなってまた本人が再度の手術を希望されるとすると最近話題のFUEの適応があるのかもしれません。
それからあなたのおっしゃるステッチという意味が正確にわかりません。できたら情報源を教えてください。
私はもともと余裕をもたせるためにそのようなことをすること自体必要ないと思います。またステッチをいれたとしたらその糸跡が傷跡として大きく残ってしまいます。もしかりに頭皮が非常に硬くはじめから余裕がないとしたら
・1cm以下の幅でも良いからなるべくテンションをかけずにドナーをとることを考える。欧米のベテランの植毛医がアドバイスしているように1cm~1.2cm幅以上強引にとるべきではありません。特に日本人はそうだと思います。
・吸収糸による皮内縫合をしっかりする。
2層場合によっては3層の皮内縫合をすると良いという発表もあり私もそうしております。
ちなみに「頭皮緊張説」といって突っ張るからハゲるという学説もありましたが否定されております。
突っ張るからハゲるというよりハゲるからヘアへの血行が不良になり突っ張るのかもしれません。
スカルプリダクションというかなり突っ張りを作る手術でもハゲは悪くなりません。
院長 今川
Re: 頭皮の余裕と美容外科... あえて匿名 -
以前、形成外科で縫い縮め手術の後、 縫合部の上下1cmぐらい剃って、スキントンテープでテーピングしたのですが、(2ヵ月位)
この方法は傷跡が綺麗に仕上がったり、幅が広がるのを抑えることができるのでしょうか?
Re: 頭皮の余裕と美容外科... 横美会 -
ご投稿ありがとうございます。
傷に幅ができるのを予防してよりきれいにする目的でスキントーンテープを傷跡につかうことは有効です。
私もよく皮膚外科の手術の後利用します。
ただ植毛の場合は少し問題があると思います。
つまり
・ヘアは毎日伸び続けるのでテープがくっつきにくい。またしょっちゅう剃るのも面倒。
・テープを張るとよほど周りのヘアを長くしていないと虎刈りのように見えてしまう。
・カサブタがとれにくかったり傷から発毛する場合はテープでふたをしてしまい毛膿炎をつくりやすい。
ということがあります。
院長 今川
Re: 頭皮の余裕と美容外科... 33歳男 -
今川先生、お返事ありがとうございます。
頭皮がやわらかすぎてもよくないのですね。
縫合部に余裕を持たせる為のステッチは、新宿のオムニグラフトを使う某クリニックで使われるテクニックだそうです。
施術例を見ましたが、このステッチを入れた傷跡はかなり細くて驚きました。
ただ、縫合自体が大きくなってしまうために、手術を受けたことを隠したい人等には薦められないみたいです。
御指摘の余分な糸跡ですが、頭皮の上は髪で完全に隠れるので、ほとんど問題にならないとのことです。
Re: 頭皮の余裕と美容外科... 横美会 - 2004/07/09(Fri) 11:16 No.4666
ご投稿ありがとうございます。
縫合部に余裕をもたせるということで一番大切なポイントはドナーの幅をよくばらないことです。野球に例えれば、野手の守備は一見易しそうに見える、つまり自然で無理がない姿勢がとれる選手が一番上手なわけで、難しい姿勢で一見華麗な守備で捕球する選手より上手なのと同じです。
幅を1.5cm以上とってそれをいろいろ工夫するのは私に言わせれば基本的ではないということです。ステッチのあとがどんなにきれいでもステッチが必要なことはまれでしょうし、糸あとは貴重なドナーのロスだということになります。
魅力十分にみえる新しい技術がインターネットに登場する場合、それが本当なのか吟味するのは一般の方には困難、不可能だと思います。
1)学会で情報公開され同じ分野の医者たちとのディベートにさらされ認められたのか?
2)医学書または医学雑誌の論文にその技術が掲載されたのか?
3)その結果が確認されているのか?
つまり十分なケーススタディーが行われたのか?
1)~3)ともこの場合クリアしておりません。こういうものは医師のコマーシャルと呼んでよいと思います。医師もコマーシャルをします(笑)。当然良いコマーシャルも悪いコマーシャルもあります。
院長 今川
P.S大変申し訳ありません。
あまり長く質疑応答が続きますと他の方が見難くなりますのでこの下に質問は続けず新しくご投稿ください。
宜しくお願い致します。
事務 鈴木
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