• Q

    ショック現象を防ぐことはできるでしょうか?

    A

    植毛の影響で既存のヘアが一時、あるいは永久的に脱毛するのがショック現象。
    手術前に完全に予測するのは不可能

    「ショック現象」というのは薄毛に悩む人たちの間ではかなりポピュラーな言葉になっているようで、このことに関する質問も多くいただきます。
    私なりに解釈するとショック現象とは、「植毛の影響と思われる既存のヘアの一時的または永久的脱毛」ということになります。
    この現象は、術後1~2ヶ月頃に見られるもので、スリットを数多く設けるために、毛切れなど機械的もしくは血行などの変化が原因で、一時的にヘア環境が変化し、既存のヘアが休止期に入ることで起こると考えられます。そのため、休止期脱毛といういい方をすることもあります。

    通常、ショック現象で抜けるのは一時的脱毛(3~4ヶ月)がほとんどですが、細くなってきた弱いヘア(最終段階のヘア)が抜けた場合、再び生えるとはいえません。この場合は永久的脱毛ということになります。
    一般的に2回目の植毛を行った後に、1回目に植えたヘアの脱毛はほとんどありません。太くて健康なヘアのショック現象はほとんどないか、あったとしても少なく、逆に細くて弱いヘアのショック現象は多くなっています。
    つまり、細く弱くなったヘアに植毛手術が “とどめを刺す” ことになるというわけです。


    具体的にショック現象を減らすためには以下のような方針が考えられます。


    (1) 同じ範囲に複数回植毛を行うときには、なるべく期間をあけること。(できたら6ヶ月以上)
    (2) あまり密度が下がっていない部分になるべく植毛を行わないようにするか、少し控えめに行うこと。
    (3) プロペシアを服用すること。


    それでもショック現象が起こってしまった場合、休止期脱毛に関しては3~4ヶ月で回復すると考えるようにし、それでも回復しないヘアは、比較的近い将来、いずれは抜ける運命にあったのだと割り切るしかないと思います。

    まったくヘアがない部分にのみ植毛するのであれば、このような悩みもないのですが、既存のヘアがある限り、残念ながら、この問題は残るでしょう。どの程度のショック現象が起こるかということを術前に完全に予測することは残念ながら難しいといわざるを得ません。
    手術時には、なるべく小さな針を使い、ヘアとヘアの間に正確にスリットを入れるなどの注意が必要ですが、それでもヘアがかなり細くなっているケースは要注意です。