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植毛コラム

第12回コラム海外で植毛したら失敗してしまった!

“医療ツーリズム”という言葉を耳にしたことはありませんか?
自国以外で診断や治療といった医療サービスを受けるというものです。日本でも年々、外国人患者の受け入れを積極的に行っていますが、まだまだなじみが薄いように思われます。
日本以外のアジアの国では韓国、タイ、シンガポールなどが国策として医療ツーリズムに力を入れています。
とくに韓国では、美容整形の分野で外国人患者の受け入れが盛んに行われ、日本からも「安い」という魅力に釣られて、数多くの人が渡航しています。つまり隣国の日本が、ターゲットになっていると言ってもいいかもしれませんね。もちろん、植毛についてもその例外ではありません。
たしかに医療ツーリズムは「医療費が安い」「高度な医療が受けられる」といったメリットはありますが、その一方でいろいろな問題点も懸念されます。

「安い」という魅力がトラブルにつながることも・・・

韓国の植毛専門の某病院などは都内に事務所を設け、広告で集めた患者を盛んに自国に送り込んでいます。その影響でしょうか、最近、当院に「韓国で植毛手術を受けたけど、満足な結果が得られなかった・・・」と、相談にやってくる患者さんが増えています。費用が安いという理由だけで、誰が植毛をやるかも知らずに韓国に行って手術を受け、その結果、トラブルになってしまったというケースがほとんどです。
今回はそういった患者さんのエピソードを中心に、医療ツーリズムの問題点を考えてみたいと思います。

【エピソード1】
「韓国の病院で1000株(2000本)植えてもらったのですが、頭全体がスカスカなんです」と訴える患者さん。よく見てみると、前頭部はわりと頑張ってはいるけど、頭頂部の密度が取れてません。当院でやるとしたら、1300株ぐらいの移植を必要とする面積ですね。
通常は医者が直接カウンセリングを行い、面積を測った上で移植するドナーの本数を決めます。ところが、このケースでは日本から送った(韓国に)写真を見ただけで、ドナーを大まかに決めていたようです。
【エピソード2】
現地(韓国)の病院に行ってから「もっと植える必要があります」と言われたケース。この患者さんは渡航前にあらかじめ、植毛する本数に合わせて予算を決めています。ところが、日本で1000本と言われたのにも関わらず、その場で1500本に変更。もちろん費用も変わります。でも、その場でお金が用意できないからといって「やめましょう」というわけにはいきません。結局、満足な本数でなかったとしても、それで妥協せざるを得ないというわけです。
これは事前に、医者が直接カウンセリングを行っていないことに大きな問題があります。手術の当日に初めて医者に会うということ自体あってはならないことなのです。
【エピソード3】
北海道からやって来た患者さんですが、この人は生え際が直線過ぎて不自然だと訴えています。たしかに額の最前列に2本毛とか3本毛といった大きな株が入っているため、不自然になっていました。代理店を通じて「抜いて欲しい」とクレームを入れたところ、「200本の修正手術をするのでいつでもいらっしゃい」と言われたと。そうは言ってもすぐに行けるわけもなく、不安になって私のところにやって来たのです。
確認したところ、植え付けに多少問題があること、さらにデザインにも問題がありました。
【エピソード4】
韓国以外の国でも医療ツーリズムによるトラブルはあります。
香港の有名な俳優さんのケースですが、彼は植毛が盛んで、費用も安い台湾でヒゲの植毛手術を受けたそうです。ところが、手術直後から悪夢が始まり精神的にも参ってしまったらしい。見ると、大きな株を移植されたようで、口の周りのはデコボコでひどい状態です。1回では治しきれないので、数回の治療が必要だと言うと、「それでもいいから、何とかしてほしい」と懇願するので、修正治療を行いました。俳優は見た目が大事ですからね。

国際毛髪外科学会も医療ツーリズムの問題点を指摘!

国際毛髪外科学会(ISHRS)のWEBサイトにも、医療ツーリズムを取り上げた記事が載っています。
それによると、医療ツーリズムの世界全体の市場規模は45.5~72億ドル(USD)と推定し、世界中で12万人(年間)が他の国の医療を受けていると記されています。
植毛の分野を例に取ってみると、アジアにおいては日本人が韓国に行ってFUEを受けるように、ヨーロッパではトルコがそれにあたります。このレポートでは、トルコでは最近、毛髪移植の闇市場が表面化しているとも指摘しています。
聞いた話ですが、トルコでは体育館のような大きな場所に何十台ものベッドを並べ、医者の資格を持たない人が工場のようにFUEをやっているケースもあるそうです。その現場の写真を見て、世界中の植毛医が衝撃を受けたとも。費用は1株1ドル、2ドルというべらぼうな安さで、その「安い費用」に釣られて、こぞって患者さんが行くわけです。良い結果を得られればいいのでしょうが、その反面リスクも非常に高く、死亡事故さえ起きていると聞きます。私はこういった行為が合法的に行われているとしたら大きな問題だと考えます。

海外で植毛手術を受ける際の注意点!

【その1】 事前に医者のカウンセリングが受けられない。
ヘア治療では事前に植毛手術を行う医師がどのようなトレーニングを積み、どれぐらいの経験を積んでいるかなどを知っておく必要があります。さらに、医師はカウンセリングで、その人が植毛していい状態なのか、そうでない状態なのかを見極める義務があるのです。
カウンセリングもせず、いきなり治療を行うような病院は非常に問題ですね。
つまり、一番の問題点はコミュニケーション。何をどういう風にやるのかということを事前にしっかり詰めておかないと、後々面倒なことになりかねません。また、言葉の問題から誤解が生じる場合もありますので、その点も十分に注意が必要だと思います。
【その2】 誰が植毛をやるのか、医者が本当にやるのか。
病院に行ってみたら、医師どころかナースもいなかったという事例も。医療サービスというのは医師の免許を持った者から受けるもので、医者以外の者が手術をやるのは論外、いや違法ですね。「誰が手術をやるのか」ということを事前にしっかり確認しておかなくてはいけません。
【その3】 何かの問題が起きたときの対処法
術後に何か問題が起きたとしても、日本であれば対処の方法がいろいろあります。たとえば裁判に訴えるという手段も。海外ではそう簡単にはいきません。 
その場合の対処方法を事前にある程度、考えておくことも必要だと思います。
医療というのは必ずリスクが伴うもの。自分が受ける植毛手術が医療行為であるということを患者さん自身しっかり自覚しておかなければなりません。
【その4】 植毛は1回で済むという保証はない。
男性型脱毛症(AGA)の場合は進行性なので、薄毛の範囲が広がっていくことも考えるべきです。また、一回植えたところが不十分のため、さらに植えなければならないことも。つまり、追加で治療を行う可能性があるということを医師からきちんと説明を受けなければなりません。
しかし国外で治療を受ける場合、外国の良い先生を見つけて、その先生から良い医療の内容を説明してもらい、治療でいい結果を得るというのはとても難しいことです。
不満を残したまま日本に帰って来て、場合によって修正治療を受けるとなれば、さらに費用もかかります。しかも、やり直す方が困難な作業になることは間違いありません。

さて、今回は医療ツーリズム(医療観光)についてお話しました。
結論を言うと、私は決して医療ツーリズムそのものをネガティブに考えているわけではありません。むしろ最先端の治療を安い費用で受けられるのであれば、それはとても良いことだと思います。
ただし、専門医のカウンセリングも受けずに、「安い」という魅力だけで海外に行き、レベルの低い医療を受けてしまうと、後々、「トラブルを抱えることになりかねませんよ」と言いたいのです。
髪の毛には長い経過があります。植毛を行う医者を自分のヘアの主治医と考え、しっかりコミュニケーションを取ることがトラブル回避のカギだと私は思います。

 

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