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植毛コラム

第7回コラム 発毛率に影響を及ぼすいろいろなもの

植毛をうける方々の一番の不安はおそらく”植えつけた移植毛はどれぐらい生えるのか?”ということでしょう。
その疑問に対して植毛医からは”ほとんどすべて”"9割以上”"95%以上”などいろいろな答えが返ってくるようですが今回はこの点についてふれようかと思います。
パンチ式植毛の時代から植毛の発毛率は100%に近いと言われてきました。
しかし1980年代にShiell博士(彼は現在引退してメルボルンで悠悠自適の生活に入っていますが植毛への情熱は衰えず、つい最近も私の書籍原稿にアドバイスをいただきました。)は施術に落ち度があったと思われないケースでも1~3%の頻度で発毛率が低下することがあり原因不明のその現象に『Xファクター』と名づけました。
カツラ着用などは代表的Xファクターです。
一方1994年にJ.Greco(彼は医師ではありませんがフロリダ州で植毛クリニックを経営しており、彼の息子は皮膚科出身の植毛医です。)は、多くの発毛率の低下はヒューマンエラー、つまり植毛チームによるいろいろな技術的問題がその原因であると主張し『Hファクター』と名づけました。
Xファクターとされていたものの多くはHファクターかもしれません。

何が発毛率に影響するのか?

(1) 植毛をうける方の要因
(カツラ着用、ドナーのヘアの状態、植えつける場所の健康状態etc.)

(2) 株分け、株の保存、植えつけなど手術中の過程

(3) 手術終了後の株の損傷
(頭をぶつけるなど植えつけ部分に外力が加わること)

(4) 植毛をうけた方の不適切なヘアケア
など結局”あらゆること”となりますが、今回のコラムでは(1)のカツラ着用と(2)について語ろうと思います。

移植毛の乾燥は一番のリスクファクター!!

株を乾かした状態で3分以上放置するだけで発毛率は大幅に下がってしまいます。
そのため株はつねにぬれた環境においておく必要があります。
小さなFU株は大きいMFU株よりも乾燥に対して弱いので注意深い取り扱いが必要となります。
植毛医達の技術レベルがまちまちなチェーンクリニックの多くでMFU株がつかわれるのは主にこのためです。

移植毛の機械的ダメージは?

移植毛の機械的ダメージは株分けと植えつけの過程で発生します。
株分けの際の毛根切断は、その程度が大きいとその株は発毛しませんが致命的でない場合には発毛します。
だいたい毛根切断された移植毛の発毛率は平均30%程度といわれています。

問題なのは発毛したとしても大抵それらは産毛化し細くなってしまうことです。
これらの理由からダブルブレードナイフやブラインドな操作による株分けのために低発毛率は問題になると以前指摘したわけです。

また植えつけ時の操作によっても移植毛にダメージを与えます。
毛根組織は水風船のようにとても柔らかい組織ですから株をつまむピンセットのちょっとした圧力でつぶされてしまいますし、株が曲げられたり、圧砕されたり引っぱられるなどするとさらに発毛率が下がってしまいます。

したがって植えつけスタッフの経験が植毛では非常に重要になります。

ドナー採取から植えつけまでの時間的ファクターは?

いろいろの実験から「 FU株の場合適切に保存されていれば頭皮から採取されてから4時間までは発毛率の低下はほとんどなく、それ以後1時間ごとに1%ずつ下がっていく」とLimmer博士は結論付けています。
某クリニックのHPには瞬間的な株分けでは株の活きが良いので発毛率が高いというニュアンスの主張を行っていますが、この結論からは、少々時間を余分にかけても株分けは丁寧に行って移植毛への毛根切断をさける方が賢明だといえます。

株の保存の方法は?

・冷却した食塩水vs室温の食塩水
・食塩水vsそれ以外の組織培養液
・電解質や浸透圧の差による比較

などについてははっきりした結論はでていません。

植えつけ密度による発毛率の低下はあるのか?

これについては多くの実験結果がありますが、以前は高密度の植えつけ(デンスパッキング)では定着率が下がるといわれており、私も2005年に出版した「植毛完全ガイド」にそのように記述しました。

ただ最近は”極小のスリットをつかえば定着率の低下はない”という意見が多く、先日も100FU株/c㎡でも発毛率の低下はなかったという最新の実験結果が国際毛髪外科学会の学会誌に掲載されたばかりです。

一方単一、植毛針を使う医師達は現在でもあいかわらず30株/c㎡以上の密度では発毛率が低下すると主張しています。
ちなみに日本の植毛クリニックで行われている方法は

  ・単一植毛法(すべての株がFU株)
  ・FUT(すべての株がFU株)
  ・FU株とMFU株の混合法
  ・機械をつかったミニ・マイクロ植毛法

の4つに分けられますがこの論争はFU株に関してだけあてはまります。

もともとミニ・マイクロ植毛や混合式では高密度植毛は不可能なのでこの論争に加わる資格はありません。
以前第1回コラム「FUT vs MFU株とFU株のコンビネーション」に述べたように日本人の場合80FU株/c㎡( 白人の場合は分母が100FU株/c㎡となります)を100%として〇〇FU株/c㎡植える場合、〇〇÷80×100が正確な植えつけ密度(%)と定義されます。

株のサイズによる発毛率の低下はあるのか?

株分けをきちんとして、良い保存法を行えばFU株でもMFU株でも発毛率に違いはありません。
これとは別に同じFU株でも細く株分けした株( skinny株 )とヘアの付属器官や周囲の組織を残した太っちょ株( chubby株 )のどちらが発毛率が良いのか?については、chubby株の方が良いという実験結果が多かったのですが、最近はよりデンスパッキングを徹底するために skinny株を好む植毛医が多くなり、またそれでも発毛率に低下がないとする報告も多くなってきています。
当院の株もどちらかというとskinnyの方だと思います。

skinny株とchubby株の違い

カツラをつけていると発毛率がどうして下がるのか?

カツラ着用は代表的Xファクターといわれています。
カツラを着用されている方々への施術で普通の半分などという低い数字ではもちろんありませんが、どう見ても80%台の発毛率と思われる例を経験したことがあります。
どうしてそうなるのか?については、”むれるためカビや雑菌が繁殖して移植毛にダメージを与える”という植毛医もいますが原因ははたしてそれだけでしょうか?
カツラの止め金や接着剤の場所には絶対移植毛が定着しませんし、きつめのカツラをしていた方の方がそうでないカツラの方より圧倒的に発毛率が低いようです。
“頭皮環境が劣悪”プラス”頭皮への圧迫”という物理的な要因がより移植毛に良くないのだと思います。

 

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